Raspberry PiをFAや計測制御で活用、HATサイズボード7種を開発:FAニュース
コンテックは、Raspberry PiをFAや計測制御に活用するためのHATサイズボード「CPI」シリーズを開発した。8〜28VDC電源機能を搭載したRAS機能拡張ボードなど、Raspberry Piの機能を強化する合計7タイプを順次発売していく。
コンテックは2021年4月6日、Raspberry PiをFAや計測制御に活用するためのHATサイズボード「CPI」シリーズを発表した。合計7タイプを、同月26日より順次発売する。
CPIシリーズは、工具や圧着端子を使わず配線できるプッシュ式ブロック端子台を採用しており、結線したまま着脱が可能。また、HAT仕様にアドレスID設定を拡張し、最大8枚のボードをスタックできる。他社HATとの混在も可能だ。
Linuxドライバ「API-TOOL for Linux」や、PythonとGCCのサンプルプログラムを提供するため、すぐにプログラミングを開始できる。また、同社製PCI ExpressやPCI、USB、Ethernet対応の計測制御用デバイスとのAPI互換により、複数のプラットフォームで活用できる。
同シリーズには、機能仕様が多様な7タイプがあり、RAS機能拡張ボード「CPI-RAS」は、8〜28VDCワイド電源入力、5VDC内部電源供給、5VDC外部電源出力(ON、OFF制御付き)、RTC(リアルタイムクロック)、WDT(ウォッチドッグタイマー)、ハードウェアモニター(CPU温度、電源電圧)、LED点灯制御(緑、赤)、汎用デジタル入出力を備える。
このほか、絶縁デジタル入出力(8点、8点)の「CPI-DIO-0808L」、逆コモン絶縁デジタル入出力(8点、8点)の「CPI-DIO-0808RL」、絶縁デジタル入力(16点)の「CPI-DI-16L」、絶縁デジタル出力(16点)の「CPI-DO-16L」、逆コモン絶縁デジタル出力(16点)の「CPI-DO-16RL」、半導体リレー出力(16点)の「CPI-RRY-16」を提供する。
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