HTCとラティス・テクノロジーが製造領域におけるVR検証の普及拡大に向けて協業:VRニュース
HTC NIPPONは製造領域におけるVR検証において、ラティス・テクノロジーと協業を開始。ラティスの「XVL Studio VR オプション」の最新バージョンで、HTCの「VIVE 商用向けリモートレンダリングソリューション」をサポートする機能をβ版として提供する。
HTC NIPPONは2021年4月9日、製造領域におけるVR(仮想現実)検証において、ラティス・テクノロジーと協業を開始したことを発表した。
協業の第1弾として、同年4月12日にラティス・テクノロジーがリリースした「XVL Studio VR オプション」(以下、XVL VR)の最新バージョンで、HTCの「VIVE 商用向けリモートレンダリングソリューション」(以下、RR)をサポートする機能をβ版として提供する。
XVL VRは、大容量3Dデータを基にしたXVLデータを、VR用にデータ変換することなく、そのままVR環境に表示し、実機製作前のデジタル検証を可能にするもの。一方、RRは、Wi-Fi接続を介したワイヤレスストリーミングの実現により、ケーブルの取り回しなどが必要な有線接続のVRヘッドセットの課題を解消し、ケーブルレスで、安全、簡単、快適なVR環境の商用利用を支援するソリューションである。
今回の協業について、HTC NIPPON 代表取締役社長の児島全克氏は「製造領域においてもコロナ禍のリモートワーク対応で、3D技術を用いたデジタル検証が進みつつある。しかし、作業時の姿勢や工具が隙間に入るかどうかといった作業性に関しては、ディスプレイ画面上で確認することが難しく、VRを用いての検証が広がっている。XVL VRにおいてワイヤレスのRRがサポートされることで、より安全、簡単、快適なVR検証が製造業へと広がることを期待している」と述べる。
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