NTTコムがローカル5Gサービスを提供、工場向け中心に5年で500システム納入目指す:製造業IoT(2/2 ページ)
NTTコミュニケーションズは2021年同年3月31日から提供する「ローカル5Gサービス」について説明。ローカル5Gの環境構築に必要となる導入コンサルティングから運用の支援をワンストップで行う。クラウド5Gコアを活用するなどして月額利用型サービスとしての提供を実現。製造業の工場向けを中心に、2025年までに500システムの納入を目指す。
DMG森精機やブリヂストンの実証実験を支援、工場向け提案に知見生かす
NTTコミュニケーションズでは、Smart Data Platformを軸に、DXやICTを活用して社会課題を解決する「Smart World」の実現を目指している。今回のローカル5Gサービスは、Smart Worldの中でも「Smart Factory」と「Smart City」を中心に提案する計画。主軸になるのは製造業の工場向けとなるSmart Factoryだ。
NTTコミュニケーションズが実現を目指す「Smart World」。ローカル5Gサービスでは「Smart Factory」と「Smart City」を中心に提案する(クリックで拡大) 出典:NTTコミュニケーションズ
同社これまでにDMG森精機やブリヂストンのローカル5G導入に向けた実証実験を支援しており、それらの知見をローカル5Gサービスで生かしていきたい考えだ。今回の会見では、工場におけるローカル5Gの活用例として「AGV(無人搬送車)の遠隔制御」「IoT(モノのインターネット)データの取得経路」「XRによる作業効率化」「カメラによる危険予知」「作業員の作業データの取得」「セキュアな通信」などを挙げた。
また、2020年12月のサブ6解禁の際には、NTTコミュニケーションズが入居するオフィスビル「グランパークタワー」(東京都港区)を拠点とするローカル5G共創環境の構築に向けて無線局の免許申請をいち早く行っている。このローカル5G共創環境は、2021年4月以降に利用可能となる見込みで、顧客やパートナーとの共創推進に役立てたい考えだ。
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