パナソニック CNS社とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)が2021年4月1日から提供を開始する「現場マルチネットワークサービス」と新たな事業体制について説明。従来の自営無線事業で高い導入実績を持つ公共向けに加えて、製造や物流、流通といった新たな分野に展開を拡大し、2025年度までの累計で売上高1000億円を目指す。
パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)は2021年2月17日、オンラインで会見を開き、同年4月1日から提供を開始する「現場マルチネットワークサービス」と新たな事業体制について説明した。同サービスでは、高い導入実績を持つ自治体向け防災システムやETCシステムなど業界特化型の自営無線事業が有する技術力や充実したフィールドサポート力を中核に、プライベートLTEやローカル5G、Wi-Fi6などの無線ネットワークシステムを組み合わせて、製造や物流、流通といった新たな分野に展開していく方針。2025年度までの累計で売上高1000億円を事業目標としており、このうち約7割を新分野向けとしたい考えだ。
パナソニックは、社会インフラ向けの自営無線を70年以上支え続けてきた歴史があり、自治体向け防災無線システム、ETCシステムなどのITS関連、業務用無線などではトップもしくはトップクラスのシェアを有している。また、これらを支える国内のフィールドサポート体制は約70拠点/1100人と充実している。
新事業となる現場マルチネットワークサービスの責任者を務めるPSSJ 代表取締役副社長の奥村康彦氏は「当社は『現場プロセスイノベーション』を掲げ、労働力不足や高齢化などの現場が直面する課題の解決に役立つソリューションの提案を進めてきた。今回の現場マルチネットワークサービスでは、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)で重要な役割を果たす無線ネットワークについて、ソフトウェアやエッジデバイスを含めてさまざまな現場向けにパッケージ化して提案していくことになる」と語る。
現場マルチネットワークサービスは、CNS社とPSSJを中心とする約2100人の事業体制で推進する。特に重要な役割を果たすのが、PSSJ内に新設される「ネットワークサービス事業センター」だ。PSSJの営業やフィールドサービス、SI、CNS社の各事業部や技術部門などとの間だけでなく、パナソニックの無線事業が得意としてきた社会インフラ関連以外の分野への展開を促進する「共創パートナー」とも連携する要の役割を担う。
共創パートナーとしては、SIerやNIer(ネットワークインテグレーター)、通信キャリアなどが候補となっており、既に複数社と契約して取り組みを進めている。「2022年度のローカル5Gのサービスを開始する段階では約10社まで増やしたいと考えている」(奥村氏)という。
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