幹事企業にトレンドマイクロが参加予定、Edgecrossの2021年度活動方針:FAニュース
「Edgecrossコンソーシアム」は2021年3月29日、同団体の活動報告や2021年度の基本方針などを説明する「Edgecrossフォーラム2021春」を開催した。2022年4月からEdgecrossコンソーシアムの幹事企業にトレンドマイクロが参加予定。
エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム」は2021年3月29日、同団体の活動報告や2021年度の基本方針などを説明する「Edgecrossフォーラム2021春」を開催した。また、2022年4月からEdgecrossコンソーシアムの幹事企業にトレンドマイクロが参加することを発表した。
トレンドマイクロが幹事会社として参加予定
Edgecrossコンソーシアムは「企業・産業の枠を超え、エッジコンピューティング領域を軸とした 新たな付加価値創出を目指す」をミッションに、エッジ領域のデータ活用を支える「エッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォーム」の構築に取り組む団体だ。2017年11月、アドバンテックとオムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となって設立。その後日立製作所も幹事会社として加わり、この7社を中心に運営を行っている。
また、2021年度からトレンドマイクロも幹事会社として参加する。スマートファクトリー化推進において重要になるサイバーセキュリティへの対応力を強化することが期待される。
具体的な製品としては、エッジコンピューティングの共通プラットフォームとなる「基本ソフトウェア」に加えて、データ連携を実現する「データコレクタ」、基本的な活用方法をパッケージ化した「エッジアプリケーション」などを展開する。基本ソフトウェアは3300社以上の導入事例がある。
Edgecross コンソーシアム 事務局長 徳永雅樹氏は2020年の活動を総括して「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、さまざまな活動をオンライン化する必要に迫られた。対面で顧客企業の声を拾うことが難しい状況下だったが、それでもスマートファクトリーに対する強い関心を肌で感じることができた。基本ソフトウェアに関する問い合わせも多かった」とした。
PoC導入支援サービスを無償提供
それを踏まえて徳永氏は、2021年の活動方針として「スマートファクトリーに関する情報発信の強化」「スマートファクトリー化に向けたシステム構築支援」「Edgecross会員企業自身の事業拡大につながる活動推進」の3つを挙げた。
1つ目の情報発信の強化については、スマートファクトリーに興味はあるが「何から手を付ければよいか分からない」という企業を対象に、スマート化に向けたアイデアを提供する予定だという。
「2021年度中にEdgecross フォーラムを2回開催するが、こうした機会にアイデアを少しでも情報提供していければと考えている。また、Edgecross 基本ソフトウェアの概要知識の解説や、実際のシステム導入を想定してPLC実機を用いるセミナーなども開催する。現時点ではIIFES 2022や2022 国際ロボット展にも出展予定だ」(徳永氏)
2つ目のシステム構築支援については、スマート化をスモールスタートで始めるための資料や支援サービスを提供する。一例として、基本ソフトウェアを用いたIoT(モノのインターネット)化の事例や設定例をまとめた「スマート工場化ガイドブック」を作成、配布する。加えて、生産現場可視化ツール「ダッシュボードサンプル for Edgecross」で対象機器1台のデータを見える化するPoC(概念実証)導入支援サービスを無料で提供。基本ソフトウェアやデータコレクタ、Node REDなどはPCにインストールして貸し出す。
3つ目の会員企業の事業推進についてはEdgecross フォーラム内のマーケティング部会やテクニカル部会と連携して施策を実施するとしている。
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