定着進むエッジクロス、会員は250社を突破し1460ライセンスを販売:FAニュース
エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム(エッジクロスコンソーシアム)」は2019年3月13日、会員企業を対象としたEdgecrossコンソーシアム会員フォーラムを開催。その中で会員企業の状況やライセンス販売の状況などを報告した。
エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム(エッジクロスコンソーシアム)」は2019年3月13日、会員企業を対象としたEdgecrossコンソーシアム会員フォーラムを開催。その中で会員企業の状況やライセンス販売の状況などを報告した。
「エッジクロスコンソーシアム」は2017年11月にアドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となって設立。その後日立製作所も幹事会社として加わり、この7社を中心に運営を進めている。2018年5月にはこのエッジコンピューティングの共通基盤となる「エッジクロス」基本ソフトウェアとデータ連携を実現するデータコレクタ、アプリの販売を開始した※)。
※)関連記事:エッジクロスがエッジコンピューティング用基本ソフトを発売、値段は10万円から
実質的に活動を本格化させたのは2018年度(2019年3月期)となるが、展示会での出展やセミナー活動などの普及活動を積極的に行い、会員企業は当初目標の200社を上回る250社の加入になっているという。
14種のエッジアプリと11種のデータコレクタ
エッジクロスコンソーシアムが目指しているのは、「エッジコンピューティング」の共通基盤ソフトウェアの開発と普及である。
IoT(モノのインターネット)によるCPS(サイバーフィジカルシステム)の価値を実現するためには、エッジ領域でセンサーなどで取得するデータを蓄積して分析し、その知見を現場のプロセスに反映するデータ活用サイクルを構築しなければならないからである。ただ、エッジ領域ではさまざまな異種環境が存在し、一元的にデータを収集し活用できるようにするのは簡単なことではない。
そこでこれらの異なるさまざまな環境からデータを吸い上げて活用できる仕組みとして、データ連携の土台となるソフトウェアとしてエッジクロス基本ソフトウェアを開発。エッジ領域のデータをこの基本ソフトウェアにつなぐ役割として「データコレクタ」が各社からリリースされている。また、基本ソフトウェアで収集したデータを活用するアプリケーションとして「エッジアプリ」などの展開が始まっている。これらのソフトウェアは「マーケットプレース」を通じて販売できる。
2018年度の活動では「エッジアプリ」が14種、「データコレクタ」が11種リリースされている。また、推奨産業用PCとしては30種が認定を受けている。これらの取り組みからエッジクロス基本ソフトウェアの2018年度の販売は1460ライセンス以上となったとしている。またユースケースの公開についても11件行い、着実に認知を広げることに成功した。
今後の取り組みとしてはあらためて目指すべき姿として「エッジクロスを2022年度に世界で最も認められたエッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォームにすることを目指す」とし、2019年度は、ユースケース10件以上、会員加入170社以上、対応製品数30製品以上を目指すとする。
また、ビジネス創出につながるマーケットプレースの機能強化を推進する他、新たに導入を支援するシステムインテグレーターの認定制度の構築などに取り組む。海外展開についても東アジアを皮切りに検討を本格化する。エッジクロスそのものについても、ITゲートウェイ通信機能やデータモデル、セキュリティなどを新たに組み込むことなどを計画する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エッジクロスは設立1年を待たずに200社加盟を突破、900ライセンスを販売
エッジコンピューティングにおける共通基盤の構築を目指す「Edgecrossコンソーシアム(エッジクロスコンソーシアム)」は2018年10月10日、取り組み経過の発表を行うとともに、エッジクロス基本ソフトウェアのバージョンアップについて紹介した。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 2018年の製造業IoTは“プラットフォーム”元年に――ウフル専務八子氏
IoT関連のサービス構築やコンサルティングなどで大きな存在感を発揮しているウフル。そのウフルで専務執行役員を務める八子知礼氏は、IoT関連の識者として知られ、国内企業のIoT活用について提言してきた。そこで八子氏に、国内における製造業のIoT活用の状況や、今後取り組むべき方策について聞いた。 - IoTプラットフォームが引き出すスマート工場の真の価値
今後の製造業の発展に向けて必要不可欠とみられているIoT(モノのインターネット)。本連載では、IoTの現在地を確認するとともに、産業別のIoT活用の方向性を提示していく。今回は、スマート工場におけるIoTの価値がどのような仕組みで実現されていくかについて紹介する。 - 第4次産業革命を支えるIoTプラットフォームって結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第10回となる今回は、2016年から雨後のタケノコのように乱立する「IoTプラットフォーム」について説明したいと思います。 - いまさら聞けない「デジタルツイン」
デジタルツインというキーワードを、IoT活用やデジタル変革(DX)の流れの中で耳にする機会が多くなった。デジタルツインとは何か? について「5分」で理解できるよう簡単に分かりやすく解説する。