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素材メーカーが指摘する「ナイロン不足で慌てない会社」の特徴自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

土曜日です。1週間、おつかれさまでした。週末でものびのびするどころではないという人もいらっしゃるかもしれません。年初から車載半導体の供給不足、航空便や船便といった物流網の逼迫(ひっぱく)、2月の米国テキサス州での大寒波の影響を受けた素材メーカーのフォース・マジュール宣言といったイレギュラーな出来事が続いていました。

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商用車メーカーの連携深まる、赤帽が心配する軽商用車の行方は?

 今週のビッグニュースといえば、トヨタ自動車といすゞ自動車、日野自動車の3社が商用車のCASE(※)対応で協業するため新会社を設立することですね(関連記事:トヨタのバックアップでいすゞと日野が協力、「3社だからこそできる商用車の課題解決を」)。これまで、日野といすゞはハイブリッド連接バスやITS技術、ADAS(先進運転支援システム)などで共同開発してきた実績があります。今回の3社の協業では、コネクテッドサービスによる物流の効率化や、中小型トラックやバン、ピックアップをターゲットとした電動化のコスト削減などに取り組みます。

(※)コネクテッド、自動運転、シェアリング/サービス、電動化

 いすゞと日野は各自で海外の商用車メーカーとも協業しています。いすゞは商用車を手がけるボルボグループ(Aktiebolaget Volvo)と戦略的提携を結び、その一環でUDトラックスを買収します。トヨタいすゞ日野の協業には実質的にUDも加わるように思えてなりません。なぜなら、トヨタいすゞ日野の協業は、「物流事業者は特定の商用車メーカーのトラックだけを使うことはない。日野だけ、いすゞだけの取り組みではユーザーの利便性向上にならない」(いすゞ 代表取締役社長の片山正則氏)という分野に取り組むからです。

 いすゞが戦略的提携を結ぶボルボグループは、大型トラックタイプの燃料電池車(FCV)の開発で、ダイムラートラックと協力しています。ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスは、国内商用車メーカー4社のうちの1社として自動運転車の実証実験などで連携しています。一方、日野はVolkswagenグループの商用車ブランドを統括するTRATONと業務提携しています。TRATONだけでなく、地域や車両タイプごとに日野はBYDなどさまざまな商用車メーカーと協力します。こうした国内外の商用車メーカーの提携を相関図に書き起こそうとすると、かなり複雑に絡み合うことになりそうです。

 乗用車以上に厳しい環境の商用車ビジネスにおいて、これだけ積極的に協力体制が築かれていくのはとても興味深いことです。車両タイプや地域ごとに協業の範囲がすみ分けられているようではありますが、あっちはこの会社と、こっちはあの会社と……というのは負担ではないのでしょうか。主要な商用車メーカーが集まって、何らかの協調領域を定めて取り組む、ということになれば、またさらに興味深いです(国を超えた大所帯で実現は難しいかもしれませんが)。

 個人的には、次は軽商用車で何か起きないかなと期待してしまいます。3月26日に開催された第2回カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会において、全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会が「新車が全て電動車になったとき、われわれが使うクルマはどうなっていくのか。実質的にダイハツ工業とスズキの2社の判断にかかっている」と切実に訴えていたからです。

 元々、トヨタのグループとしての戦略では乗用車のA〜Bセグメントの電気自動車(EV)はスズキとダイハツが開発することになっています。軽商用車に最適な電動パワートレインについて、EV以外も含めた選択肢を2社がどう捉えているかはまだ分かりませんが、赤帽さんが安心できる日は、そう遠くないだろうと思います。

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