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人と技術の共創を、倉庫内物流向けロボットのオープンイノベーション施設物流のスマート化(2/2 ページ)

鴻池運輸は2021年3月3日、倉庫内物流の自動化ロボットや機器開発に加えて、スタートアップとのオープンイノベーションを促進する「鴻池技術研究所イノベーションセンター」を東京都品川区に開設した。倉庫物流を再現した現場内で、実証実験を通じて、ロボットや機器の実効性を確認できる。

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狭い場所でも柔軟に動いて衝突を避けるAMR

 Rapyuta Roboticsの自律走行搬送ロボット(AMR)は、サンプルの小型段ボール箱が配置された棚を用いたピッキング作業を行う。使用するAMRは4台で、管理、操作はデモ用の専用システムから行う。AMRにはそれぞれバーコード付きのトレイが載っている。システムで専用の待機場からAMRを呼び出した後、作業者がバーコードをリーダーで読み取ると、ピッキングする荷物の場所などのデータをAMRが取得する仕組みだ。


トレイのバーコードを読み取る作業者[クリックして拡大]

 AMRはデータに従って荷物がある棚へと自律走行する。機体の位置情報は作業者がモニター上で確認できる。目的の棚に到着したのを確認したら、作業員は直接その場に向かい、荷物を棚から取り出しトレイに載せる。


モニターでAMRの到着を確認可能[クリックして拡大]

トレイに荷物を載せる作業者[クリックして拡大]

鴻池運輸の鴻池忠嗣氏[クリックして拡大]

 棚間やその側のスペースは十分な広さがあるとは言い難い。そのため、報道関係者向けのデモ中には機体同士が非常に接近する場面もあった。しかし、AMRに搭載したセンシング機器や群制御AI(人工知能)システムが緊密に連携することで、走行速度や進行方向を柔軟に調整して衝突を回避する。実際に、機体間が数センチ程度であっても問題なくすり抜け合っていた。

 技研ICの設立背景について、鴻池運輸 取締役兼専務執行役員の鴻池忠嗣氏は「残念ながら当社では過去にフォークリフト災害など、安全性に関わる重大な事故を経験したことがある。こうした事故を防ぐには、ロボットや自動化機器の導入を通じた取り組みが必要になる。技研ICを設立したのも、こうした安全性向上に対する思いという部分が大きい」と振り返った。

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