鈴木修氏が会長退任、2025年までに「電動化技術そろえる」:製造マネジメントニュース
スズキは2021年2月24日、代表取締役の異動と2025年度(2026年3月期)を最終年度とする中期経営計画を発表した。
スズキは2021年2月24日、代表取締役の異動と2025年度(2026年3月期)を最終年度とする中期経営計画を発表した。
代表取締役会長の鈴木修氏が2021年6月開催予定の定時株主総会を経て退任し、相談役に就任する。中計では、2025年までに電動化技術をそろえ、2025年から製品に全面展開することを目指す。2030年からは電動化製品の量的な拡大に取り組む。トヨタ自動車とのアライアンスでは、電動車やアフリカ事業での協業、商品ユニットの補完など協力を深める。
四輪事業では日本で軽自動車のシェアを30%以上に、登録車の販売を2021年3月から1.5倍に増やす。インドでは電動化を推進しながら乗用車のシェア50%以上を目指す。二輪事業では、販売200万台、営業利益率5%以上に向けて、共通化を進めながら多様なラインアップを展開する。
2015〜2019年度の中期経営計画では、期間中に売上高や営業利益率の目標を達成したものの、最終年度となる2019年度(2020年3月期)に関してはインド市場の減速、完成検査問題、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で業績目標は未達となった。品質問題やリコールの多発、燃費測定や完成検査での不正問題なども発生し、信頼回復が課題となった。
2026年3月期の業績目標は、売上高が4兆8000億円(2021年3月期の業績予想から60%増)、営業利益率が5.5%(同0.2ポイント増)、世界販売は四輪車が370万台(同55.4%増)、二輪車が200万台(同35.1%増)とした。
2026年3月期までの中計期間では、研究開発費は1兆円、設備投資は1兆2000億円をそれぞれ5年間の累計で計画している。
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