製造現場に混在する無線通信を安定化する通信規格の適合性試験仕様を策定:FAニュース
フレキシブルファクトリパートナーアライアンスは、製造現場に混在する無線通信を安定化する通信規格の適合性試験仕様を策定した。無線機器が技術仕様に適合する試験の基準や手順が明確になった。
フレキシブルファクトリパートナーアライアンス(FFPA)は2021年1月19日、製造現場の多様な無線システムの安定化を図るために必要な通信規格の適合性試験仕様を策定したと発表した。
FFPAは、各ベンダーが開発した無線機器をつなぎ、無線通信の可視化と統合管理を容易にするため、情報通信研究機構の提案によるSRF無線プラットフォームをシステムの基本構成として採用し、通信規格の技術仕様を2019年9月に策定した。
今回、通信規格の適合性試験仕様を策定し、無線機器が技術仕様に適合する試験の基準や手順が明確になった。SRF無線プラットフォームでは、ゲートウェイや無線端末から構成される複数の無線システムをフィールドマネージャーと呼ばれるコントロ―ラーが管理、協調制御する。本プラットフォーム上に構築された無線システムは、互いの干渉を抑え、協調動作する。
適合性仕様には、ゲートウェイや無線端末が正しくフィールドマネージャーと通信できるための基準や手順が記されており、さまざまなベンダーの製品がSRF無線プラットフォームの通信規格に従って動作する確認ができる。
また、SRF無線プラットフォームの技術仕様をVersion 1.1に更新。無線LANのほか、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、LoRaWANなどSub-GHzを使う各種無線システムの制御パラメーターや、スペクトルモニターのための監視パラメーターを追加した。本プラットフォームの採用により、幅広い無線システムで構成されるネットワークの可視化と統合管理が可能になる。
今後は、2021年中の開始を目指して認証プログラムの準備を進めていく。同時に、5Gに対応する技術仕様Version 2.0の策定を進める。
関連記事
- 工場用のイーサネットって何だろう?
インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。第2回ではイーサネットとは何かを紹介します。 - サブ6解禁でさらに期待高まるローカル5G、コストに見合った価値づくりを急げ
民間での商用サービスが始まった5Gだが、企業や自治体などが5Gを自営網として利用できる「ローカル5G」にも注目が集まっている。2020年末に6GHz以下の周波数帯であるサブ6やSA構成、屋外での利用が利用可能になる法整備が行われ、ローカル5Gへの期待はさらに高まっているが、その導入コストに見合った価値づくりはまだこれからだ。 - 「OPC UA」とは何か
スマート工場化や産業用IoTなどの流れの中で大きな注目を集めるようになった通信規格が「OPC UA」です。「OPC UA」はなぜ、産業用IoTに最適な通信規格だとされているのでしょうか。本連載では「OPC UA」の最新技術動向についてお伝えする。第1回である今回は、あらためて「OPC UA」の概要と位置付けを紹介する。 - いまさら聞けない EtherCAT入門
産業用オープンネットワーク「EtherCAT(イーサキャット)」をご存じだろうか。工場などの産業用オートメーションにおいて、フィールドネットワークのオープン化が進む中、なぜEtherCATの存在感が増しているのか。誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを詳しく解説し、その秘密に迫る。 - いまさら聞けないFL-net入門
オープンPLCネットワークの「FL-net(エフ・エル・ネット)」をご存じでしょうか。工場のさらなる高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しています。その中でPLCの相互互換性を確保するオープンPLCネットワーク(OPCN)にも注目が集まっています。OPCNを実現する「FL-net」の誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを解説します。 - サブ6解禁でさらに期待高まるローカル5G、コストに見合った価値づくりを急げ
民間での商用サービスが始まった5Gだが、企業や自治体などが5Gを自営網として利用できる「ローカル5G」にも注目が集まっている。2020年末に6GHz以下の周波数帯であるサブ6やSA構成、屋外での利用が利用可能になる法整備が行われ、ローカル5Gへの期待はさらに高まっているが、その導入コストに見合った価値づくりはまだこれからだ。 - ローカル5Gが新たなバズワードに、製造業はその可能性を生かせるのか
国内で商用サービスが始まる5G。この5G以上に注目を集めているのが、通信キャリアでない事業主体でも5Gをプライベートネットワークとして利用できる「ローカル5G」だ。このローカル5Gの新市場として製造業の工場が大きく成長することが期待されている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.