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パナソニックが太陽電池生産を終息、中国GSソーラーとの破談から半年で決定製造マネジメントニュース

パナソニック ライフソリューションズ(LS)社がマレーシア工場と島根工場における太陽電池の生産を2021年度中に終息すると発表。これにより太陽電池の生産から撤退し、これまで進めてきた事業構造改革を完了させる。なお、国内外で太陽電池の販売は継続するという。

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 パナソニック ライフソリューションズ(LS)社は2021年2月1日、マレーシア工場(マレーシアケダ州クリム)と島根工場(島根県雲南市)における太陽電池の生産を2021年度中(2022年3月まで)に終息すると発表した。これにより太陽電池の生産から撤退し、これまで進めてきた事業構造改革を完了させる。なお、国内外で太陽電池の販売は継続し、HEMS(Home Energy Management System)やパワーコンディショナー、蓄電池、EV(電気自動車)用充電器などを組み合わせたエネルギーソリューション事業を推進していく方針だ。

 マレーシア工場は、2021年度中に太陽電池ウエハー、セル、モジュールの生産を終息するとともに、建物、土地などの資産の譲渡を検討している。運営会社のパナソニック ソーラー エナジー マレーシアは清算する。従業員については割増退職金の支払いや再就職支援などを行う。

 島根工場も2021年度中に太陽電池セルの生産を終息するが、パワーコンディショナーや蓄電池の生産は継続する。太陽電池の生産に関わる従業員は、島根工場内を基本に今後成長が期待されている領域への異動を薦めるなどして雇用を維持する方針だ。

 生産撤退に伴い、二色の浜工場(大阪府貝塚市)で行っていた太陽電池の研究開発機能を縮小し、その人的リソースは成長領域にシフトさせるとしている。

 なお、二色の浜工場における特定顧客向け太陽電池、福島工場(福島県福島市)における時計、電卓向けの民生用太陽電池の生産は継続する。

 また、太陽電池の販売については、国内では生産委託などを活用してパナソニックブランドでの販売を継続する。海外では、既に北米で実施している外部調達による販売を進めるとしている。

テスラ、GSソーラーなどとの協業が奏功せず

 パナソニックが2021年度までに赤字事業の撲滅を目指す中で、最大の懸案となっていたのが太陽電池事業だ。中国や韓国のメーカーとの価格競争に直面する中で、中核生産拠点を国内工場からマレーシア工場に移管したものの赤字が続いていた。

 他社の提携による事業立て直しを図ったものの、2017年夏からスタートした米国バッファロー工場におけるテスラ(Tesla)との太陽電池セルおよびモジュールの共同生産事業は頓挫し2020年9月に撤退。2019年5月に発表した中国GSソーラー(GS-Solar)との協業契約も2020年7月には破談となるなど事業を好転させられず、これらの結果として生産終息を決定することとなった。

 生産終息するマレーシア工場と島根工場で生産している太陽電池「HIT」は、1995年に旧三洋電機で開発された製品で高い変換効率を特徴としている。パナソニックは、国内での太陽電池販売について「生産委託などを活用する」としているものの、独自の生産技術が必要になるHITの生産委託を行うのか、一般的な太陽電池の生産を委託するかについては現時点では未定としている。

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