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ルネサス製車載マイコンに採用された組み込み仮想化ソフトウェア:組み込み採用事例
Green Hills Softwareの組み込み仮想化ソフトウェア「μ-visor」が、ルネサス エレクトロニクスの車載マイコン「RH850/U2A」に採用された。RH850/U2A上に複数のMCUベースのシステムを安全性とセキュリティを確保して統合する。
Green Hills Softwareは2021年1月11日、同社の組み込み仮想化ソフトウェア「μ-visor(マイクロバイザ)」が、ルネサス エレクトロニクスのフラッシュ内蔵車載マイコン「RH850/U2A」に採用されたと発表した。
μ-visorは、RH850/U2A上に複数のMCUベースのシステムを安全性とセキュリティを確保して統合するための基礎技術。Green Hills Softwareの「INTEGRITY Multivisor virtualization」に追加提供され、統合システムのコスト、サイズ、電力を節約できるだけでなく、システムの安全設計を簡素化する。
同ソフトウェアは、RH850/U2Aの仮想化機能を用いることで複数の仮想マシンを同時に稼働できる。AUTOSAR環境やGreen Hills Software独自のOSを含めた各種OSをサポートしており、ユーザーは柔軟な方法で設計できる。
さまざまなスケジューリングやコア管理アルゴリズムをサポートするほか、「ISO/SAE 21434」「UNECE WP.29」での新たな車載サイバーセキュリティ要求に対応しており、機能安全規格「ISO 26262 ASIL D」にも準拠している。
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