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認証精度を向上し、屋外設置に対応した小型指静脈認証モジュール:組み込み開発ニュース
日立製作所と日立産業制御ソリューションズは、組み込み機器向け「小型指静脈認証モジュールH4E」シリーズを発売した。従来品から認証精度やユーザビリティを向上し、屋外対応を強化している。
日立製作所と日立産業制御ソリューションズは2020年12月14日、指静脈認証に対応した組み込み機器向け「小型指静脈認証モジュールH4E」シリーズを発表した。同日から、日本、中国、欧州で順次販売する。
H4Eシリーズは、指静脈の撮影、照合、認証結果の通知までを単体で担う小型モジュールだ。従来機種から撮影エリアを拡大し、認証アルゴリズムを改良したことで認証精度が約10倍向上している。また、「生体変動自動学習機能」を搭載しており、指の置き方や気温の変化によって、登録時と認証時に静脈パターンに差異が生じる場合の認証エラーを低減する。
撮影位置がずれて認証エラーとなる場合は、「連続認証機能」により指の位置を微調整することで連続的に認証作業を進め、再認証にかかる時間を短縮する。さらに、3色LED表示やビープ音の追加、台の形状変更により、正しく指を置けるように配慮している。
センサーの汚れ自動検知機能を搭載し、防塵(じん)防水仕様をIP54相当、動作温度範囲を−20〜+50℃とすることで、屋外設置にも対応する。感染症対策として、アルコール消毒が可能な抗菌塗装を施している。
着脱式指置き台と突起部を含まない外形寸法は39×40×34mmで、光学系の小型化により面積が従来比約64%となっている。
両社は、屋外対応を強化したH4Eシリーズについて、ドアや金庫、勤怠管理、FA機器など幅広い産業分野での利用を見込む。
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