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レジ自動化はどこまで可能か、生体認証やRFID、画像認識でレジレスにたどり着けリテールテックJAPAN2018(1/4 ページ)

「リテールテックJAPAN 2018」で注目を集めたのが、レジの自動化につながるソリューションの展示だ。NEC、富士通、日立製作所、SCSK/サインポスト、ヴィンクス/パナソニック、大日本印刷のレジ自動化関連の展示についてレポートする。

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 流通業のサプライチェーンとマーケティングを進化させるIT機器・システムを紹介する展示会「リテールテックJAPAN 2018」(2018年3月5〜9日、東京ビッグサイト)で注目を集めたのが、レジの自動化につながるソリューションの展示だ。店舗の来店客が商品を購入する際にはPOSレジを使った精算と支払いが必要であり、現状においてこれらの作業は人が行っている。

 しかし労働力不足が深刻化する中で、来店客自身が精算と支払いを行うセルフレジだけでなく、さらなるレジの自動化や、レジレスにまで至るようなソリューションも求められている。本稿では、NEC、富士通、日立製作所、SCSK/サインポスト、ヴィンクス/パナソニック、大日本印刷のレジ自動化関連の展示を紹介しよう。なお、オムロンの展示は別途記事化しているのでそちらを参照してほしい(関連記事:オムロンの“現実的な”レジレスソリューション、セキュリティゲートは扉がない)。

POSレジの自動化を画像認識とRFIDの両面で取り組む

NECの画像認識POSレジ
NECの画像認識POSレジ。台上にあるディスプレイの上に設置したカメラで各商品を画像認識する(クリックで拡大)

 レジの自動化を目指す上で大きな課題となっているのが、さまざまな大きさや形状、パッケージが混在する商品の精算プロセスだ。現在のPOSレジは、商品のバーコードを1個ずつ読み取っているが、これを何らかの方法によって一括で読み取れればレジの自動化に近づく。

 NECは、画像認識とRFIDの2つの両面でPOSレジの一括で読み取りに取り組んでいる。まず、画像認識については、同社のAI(人工知能)技術を生かして、生鮮品や日配品から、パッケージ品まで、あらゆる小売商品を画像認識する多種物体認識技術を開発した。

 この多種物体認識技術は、ディープラーニングと特徴点マッチングを組み合わせたことが特徴になっている。野菜や果物、弁当など個体ごとの微妙な違いがある商品の認識にはディープラーニングを用い、工業製品となるパッケージに収められた商品は特徴点マッチングを適用する。2つの技術を融合することで、それぞれ1つの技術だけで対応するよりも誤認識率を10分の1に低減できる。「スーパーやコンビニで販売されている商品であればほぼ全てカバーできる。今後は、NECの社内店舗での実証実験に進めたい」(NECの説明員)という。

画像認識した商品はディスプレイ上で四角く囲まれている
画像認識した商品はディスプレイ上で四角く囲まれており、右側にあるディスプレイで値段とともにリストアップされる(クリックで拡大)

 一方、RFIDについては、表示画面が浮き出て見える近未来型POSレジの一環として、RFIDリーダーを2つ設置して誤認識を減らす仕組みを紹介した。一般的なセルフレジでは、買い物かごを設置してから、買い物袋に商品を詰める。このプロセスを利用して、買い物かごを置く台の側方にあるRFIDリーダーで1度目の認識を行い、買い物袋に商品を詰める際には買い物袋を設置するスペースの奥側のRFIDリーダーで認識する。「金属物やドリンクなど液体が入っている商品に貼り付けたRFIDは読み取りにくいことが多い。この仕組みで2度読みすることで、漏れなく精算できる」(NECの説明員)。

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