設備保全の負荷を軽減、金属粉や油で起きる絶縁体劣化の遠隔監視機器:FAニュース
オムロンは2020年11月30日、製造現場の異常状態を人に代わって監視する絶縁抵抗監視機器「K7GE-MG」を同年12月1日に発売すると発表した。順次グローバル展開を進めていく計画だ。
オムロンは2020年11月30日、製造現場の異常状態を人に代わって監視する絶縁抵抗監視機器「K7GE-MG」を同年12月1日に発売すると発表した。国内から投入を開始し順次グローバル展開を進めていく計画だ。
オムロンでは2017年12月から、強みとするセンシング技術と異常検出アルゴリズムをすり合わせ、設備の停止ロス削減に向けて異常状態の監視を行う「状態監視機器」シリーズを展開。これまで「モーター異常」や「温度異常」を監視できる機器を投入してきたが、今回新たに「絶縁異常」を自動的に監視する機器を投入する。
新製品「K7GE-MG」は、設備に搭載されるサーボモーターなどの絶縁不良の検出を行うものだ。これまで正確な絶縁抵抗の測定には、熟練のノウハウが必要な上、生産設備を停止する必要があり、突発停止を未然に防ぐための負荷は非常に高かった。「K7GE-MG」はこの負荷を低減するものだ。熟練保全者が行う点検ノウハウを機能に取り込むことで、再現性の高い計測を自動で行えるようにした。
加えて、従来の手動測定に比べ、従来気付かなかったわずかな異常兆候も正確に把握できるようになる。通信機能搭載により、製造現場に行かずにオフィスなどからリモートで絶縁抵抗の劣化傾向を監視することも可能だ。また、設備に負荷をかけないローボルテージ計測を可能としている。「K7GE-MG」はメインユニットとプローブユニットに分かれており、メインユニットから各機器の状況を監視するプローブユニットを8台まで設置可能としている。
「ターゲット層は金属加工機、ホイスト、ポンプ、搬送装置などで、ミストや油、金属粉などで絶縁体の劣化が激しそうな領域を中心に考えている。既存の設備の後付けで使えるために幅広い用途が考えられる」(オムロン)。価格面については「オープン価格であり明確に示すことはできないが、多くのユーザーが絶縁体の監視に多くの労力を割いている。事前の相談では非常に良い感触が得られている」(オムロン)としている。
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