デジタル化は先進企業ほど積極姿勢、ガートナーがCIO対象の調査結果を発表:製造マネジメントニュース
ガートナー ジャパンは、世界のCIO約2000人を対象にした調査結果を発表した。先進企業は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下でもデジタルイノベーションを優先していることが分かった。
ガートナー ジャパンは2020年11月5日、世界のCIO約2000人を対象にした調査結果を発表した。先進企業は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック下でもデジタルイノベーションを優先しており、2021年はデジタルを巡る競争の年になるという。
調査では、回答者の76%が2020年に新規デジタルプロダクトやサービスへの需要が拡大すると回答。2021年にはこの割合がさらに増加し、83%にまで達している。
平均的企業と比較して、先進企業がより積極的に取り組んでいる顧客向けのデジタル化領域は「新規デジタル・プロダクト/サービスの導入の加速」「顧客アプローチ/市民エンゲージメントのためのデジタル・チャネルの活用」の2つとなる。先進企業10社のうち9社はデジタル・チャネルを追求しており、その約4分の3がデジタル・プロダクトの導入を加速している。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くの企業が売り上げが減少したと回答。先進企業は29%にとどまっているものの、平均的企業では45%、遅れた企業では62%という結果になった。
需要の変化については、先進企業の58%が、感染拡大以降に獲得した顧客からの需要が増えたと回答した。一方、平均的企業は49%、遅れた企業は37%にとどまっている。
なお、同調査によると、2021年のIT予算の平均増加率は、2020年の2.8%から2%に微減になると予測している。特に先進企業は、パンデミック収束後を見据えて積極的に変化に立ち向かっており、その63%がデジタルイノベーションに対する資金投入を増やしたいと回答した。
特に、リモートワークへの移行が進み、新たな攻撃対象が生じたことで、サイバーセキュリティへの支出は増加している。実際に、全体の61%がセキュリティ関連への投資を増やすと回答した。
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