日産も2020年度通期見通しを上方修正、新型車の業績貢献は年度末から:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
日産自動車は2020年11月12日、オンラインで説明会を開き、2021年3月期第2四半期(2020年4〜9月期)の決算を発表した。
事業構造改革計画の進捗は
2020年7〜9月期の3カ月間の営業損益は48億円の損失で、同年4〜6月期の1539億円の営業赤字から大幅に改善した。営業損益の増減要因としては、販売面で1715億円のマイナスだったが、販売費用の改善で449億円、製造面のコスト低減や固定費削減で1063億円の増益要因となった。販売費用の低減は上期としては808億円、製造コストや固定費の削減は1457億円となった。
日産は2020年5月に発表した事業構造改革計画「Nissan NEXT」で、2020年度末までに2018年度比で固定費3000億円の削減を目指している。この目標に向けて取り組みは順調に進んでいるとしている。この他にも販売の質の改善、在庫や費用の最適化も前年同期と比べて進展した。固定費は前年同期比12%減となった。このうち、生産面は9%減、研究開発費やデザイン費用は10%減、マーケティングやセールスは18%減、一般管理費は11%減だった。また、フリート販売のうちレンタル比率は6ポイント減、販売奨励金の売上高比率は1ポイント減、新車販売のレベニューレートは1.5%アップした。中国の合弁会社も含めた在庫は26%改善した。
2020年度通期は、営業損益が3400億円の損失となる見通し。前回の見通しと比べて貴金属など原材料費が110億円悪化するが、台数・構成、販売奨励金などで290億円増、販売費用の改善で150億円増、販売金融や製造コスト、固定費などの削減で970億円のプラスとなるという。他の自動車メーカーと比べて収益の改善が進まないのは、新型車投入に向けた投資が要因となっている。
内田氏は「上方修正したものの、大きな赤字を抱えていることを受け止め、業績回復に向けて一歩一歩確実に進めていきたい。日産はこんなものではないというところを見せていきたい」と述べた。
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