屋内の飛沫拡散状況を診断できる「飛沫可視化サービス」:CAEニュース
エコ革 京都テクノロジー事業部は、新型コロナウイルスの飛沫シミュレーションが可能な「飛沫可視化システム」を開発した。同システムを用いて、屋内の飛沫拡散状況を診断する「飛沫可視化サービス」を開始する。
エコ革 京都テクノロジー事業部は2020年10月12日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の飛沫シミュレーションが可能な「飛沫可視化システム」を開発したと発表した。同年11月1日より、同システムを用いて、医療施設や観光施設、屋内スポーツ場などの飛沫拡散状況を診断する「飛沫可視化サービス」を開始する。
建物内に浮遊する飛沫の経路を可視化
飛沫可視化システムは、レーザースキャンにより取得した点群データから3Dモデルを作成し、人の座席配置や空調設備を考慮した飛沫シミュレーションを実施する。慣性計測装置(IMU)搭載の3Dレーザースキャナーを用いて、複数の点群データから建物全体の点群モデルを作成する。
この点群モデルに空調設備を付加した3D CADモデルを作成し、数値流体力学(CFD)による気流シミュレーションと飛沫のシミュレーションを実施。建物内に浮遊する飛沫の経路を可視化することで、屋内空間での感染症対策の課題を明らかにする。
COVID-19の感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染の3つとされる。屋内の気流や換気条件に起因するクラスターの防止には、飛沫の可視化、室内の気流状況の課題を明確化するほか、室内配置、空調、換気などの具体的な対策を実施する必要がある。
飛沫可視化サービスでは、ライカジオシステムズの点群取得技術、エムエスシーソフトウェアのCFD技術などを活用する。例えば、オフィス内の飛沫シミュレーションでは、点群データから3D CADモデルを作成し、これに空調機器の情報を付加して気流や飛沫のシミュレーションを実施する。可視化の結果から、換気や空気浄化などの感染防止の対策案を提示したり、AI(人工知能)による空調の最適化検討も可能になるという。
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