ダッソー、くしゃみのシミュレーションを通じてフェイスシールド開発を支援:CAEニュース
ダッソー・システムズのオープンイノベーションラボ「3DEXPERIENCE Lab」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の抑制に貢献すべく、“くしゃみのシミュレーション”を通じて、フェイスシールドの開発プロジェクトの支援を開始した。
ダッソー・システムズは2020年4月16日、同社のオープンイノベーションラボ「3DEXPERIENCE Lab」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の抑制に貢献すべく、“くしゃみのシミュレーション”を通じて、フェイスシールドの開発プロジェクトの支援を開始したことを発表した。
COVID-19の飛沫感染の要因の1つであるくしゃみの現象をシミュレーションすることで、現在開発中、あるいは既に配備されているフェイスシールドの有効性の理解を深め、設計の改善に役立てることを狙う。
「PowerFLOW」で“くしゃみ”の影響を解析
くしゃみのシミュレーションには、同社の数値流体シミュレーション(CFD)ツール「SIMULIA PowerFLOW」(以下、PowerFLOW)を活用。PowerFLOWは、液体や空気の流れを解析する非定常シミュレーションツールとして知られ、航空、自動車業界などで広く採用されている。
PowerFLOWを用いたシミュレーションは、口から吐き出される呼気の速度を時間の関数として使用し、かつ飛沫の粒径や分布特性などの公開データに基づき実行。シミュレーション結果はリアリスティックモデルとして示され、くしゃみと同時に空気中に放出された唾液粒子の軌跡、装着されたフェイスシールド表面への付着、フェイスシールドの内側や装着した人の周辺に流れ込むエアロゾルの影響などを確認することができた。なお、PowerFLOWによるシミュレーションは計算効率に優れており、フェイスシールドの全長や幅、人と人の距離などを含む各種パラメータの影響を迅速に検討できるという。
3DEXPERIENCE Labでは、COVID-19の感染拡大防止に向けた多くの活動を主導し、デザイナーや設計者、科学者など、さまざまな知見を持つプロジェクトメンバーをクラウド上の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」でつなぐことで、短期間での課題解決に取り組んでいる。こうした活動を通じ、COVID-19の感染拡大に直面する地域医療などを支援し、最適なソリューションを提供することを目指すとしている。
なお、3DEXPERIENCE Labが公開するコミュニティーサイト「OPEN COVID-19」では、異なるフェイスシールドを使用して行われたくしゃみのシミュレーション結果など、プロジェクト活動に関する情報が掲載されている。
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