“星空”をDXで再定義、コニカミノルタのプラネタリウム事業:製造マネジメントニュース
コニカミノルタとコニカミノルタプラネタリウムは2020年10月9日、ドーム映像サービスプラットフォームを構築し高臨場感コンテンツ配信を行う「Connected Dome」ビジネスを開始すると発表した。映像配信プラットフォームの提供により全国のプラネタリウム館に、星空コンテンツを配信するとともに音楽ライブ映像などを配信しさまざまな目的でドームシアター施設の活用を進める。
コニカミノルタとコニカミノルタプラネタリウムは2020年10月9日、ドーム映像サービスプラットフォームを構築し高臨場感コンテンツ配信を行う「Connected Dome」ビジネスを開始すると発表した。映像配信プラットフォームの提供により全国のプラネタリウム館に、星空コンテンツを配信するとともに音楽ライブ映像などを配信しさまざまな目的でドームシアター施設の活用を進める。
集客と稼働率で苦戦するプラネタリウム館
コニカミノルタは、1957年に国産初のプラネタリム「ミノルタプラネタリウム1型」を開発して以来、60年以上もプラネタリウム事業に関わってきた企業だ。プラネタリウムはもともと黒いガラスに星の穴が開いた「恒星原盤」をレンズでスクリーンに投影するという仕組みだが、1980年前後から完全自動制御などコンピュータとの融合が進み、現在ではデジタルプロジェクターと光学式プラネタリウムを組み合わせ、デジタル制御で上映するデジタル式プラネタリウムが主流となりつつある。
現在、全世界のプラネタリウム館は約2700館あるとされるが、その内日本には400館(稼働数350館)が存在し、プラネタリウム大国だといえる。コニカミノルタはその中で、日本で稼働するプラネタリウム館の約半数に設備を導入しており、直営館3館と指定管理官など、運営ノウハウなども豊富に備えることが特徴だ。また、コンテンツ配信事業なども展開している。
しかし、多くの地方自治体のプラネタリウム館では、集客に苦戦し稼働率が低いことが課題となっている。「プラネタリウムの施設としての魅力は何かを考えた」とコニカミノルタ 映像ソリューション事業部 事業部長で、コニカミノルタプラネタリウム 代表取締役社長 兼 CEOの古瀬弘康氏は語る。そして、プラネタリウムの劇場としての可能性に行き着いたという。「一般的な大型映画館のスクリーンは17×7mで119m2の投影面積となる。プラネタリウム館の直径17mスクリーンの投影面積は454m2となり、大きな可能性があると考えた。巨大スクリーンに包み込まれるような映像体験を提供できる」と古瀬氏は語る。
これらの特徴を生かそうとしても多くのプラネタリウム館では、新たなコンテンツを配信するような調達力やノウハウなども不足している。そこで、コニカミノルタが培ったプラネタリウムのさまざまなノウハウをクラウドサービスとして提供するというのが「Connected Dome」ビジネスである。
今まで単体で運用されてきたプラネタリウムをネットワークを介してつなぎ、さまざまなコンテンツ体験を提供するとともに、オペレーション効率をアップさせ、運用コスト削減を支援する。同時に、各館独自の投映プログラム作成も可能なエッジサーバや、スクリーン自体が発光するLEDドームシステム「DYNAVISION-LED」など、ハード面においても技術提供を行う。
B2B向けコンテンツ配信としては、コニカミノルタが自社制作のプラネタリウム映像などを配信するプラットフォームサービス「Connected Dome Library」を2021年1月に開始する。現在、プラネタリウムで新コンテンツを上映する際には、自動投映プログラムを上映館ごとにセッティングする必要があり休館を余儀なくされていたが、「Connected Dome Library」は、クラウド経由でダウンロードしたコンテンツを専用サーバに格納し、専用セットトップボックスをプラネタリウム館側に設置するだけでそのまま上映できるため、より多くのコンテンツを効率的に上映できるようになる。
「Connected Dome Library」は先行提案で既につくばエキスポセンターと佐世保市少年科学館「星きらり」の2館への導入が決まっているが、導入目標は「2020年度で5館、2021年度には13〜15館の導入を目指す」と古瀬氏は語っている。
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