機械設置面積40%減、高効率で多様な加工に対応する門形マシニングセンタ:FAニュース
三菱重工工作機械は、門形マシニングセンタの新製品「MV-Bx」シリーズ2機種を発表した。立形マシニングセンタに載らないワークや、横中ぐり盤では加工効率が悪いワークを効率良く加工できる。
三菱重工工作機械は2020年9月1日、門形マシニングセンタの新製品「MV-Bx」シリーズを発売した。テーブル幅1100mmの「MV12Bx」と同1500mmの「MV16Bx」の2種を用意する。
MV-Bxシリーズは、立形マシニングセンタに載らないワークや、横中ぐり盤では加工効率が悪いワークを効率良く加工できる。フレームや架台などの製缶物の加工から、鋳物を用いた構造部品の重切削加工まで多様な加工に対応する。
コラムやベッドなどの主要構造体が鋳物製で、熱対称構造、コラムブリッジ一体構造となっている。Z軸(主軸頭上下)には、すべり案内面を採用して剛性を高めた。
ギヤ減速方式の主軸は、低速域の重切削加工から超硬工具などによる高速高能率加工まで幅広い加工に対応する。また、独自に開発したIoT(モノのインターネット)対応モニタリングシステム「三菱DIASCOPE(ディアスコープ)」を搭載。稼働監視とリモートモニタリング機能により、高効率で信頼性の高い稼働、保守が可能になる。
機械設置面積は、MV12Bxが5425×4196mm、MV16Bxが6770×4760mm。MV16Bxは、現行機「MVR25Ex」に比べて機械設置面積が約40%減少しながらも、テーブルサイズを最大1500×3260mmと広くしたため、単位面積当たりの生産性が向上した。
2機種とも、汎用的な機能を多く取り入れることで、効率が良く、取り扱いしやすいマシンとなっている。なお、MV16Bxには、五面加工仕様のオプションもある。
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