パナソニックがカーナビに有機ELパネル採用、市販向けでは「業界初」:車載情報機器
パナソニックは2020年9月2日、市販向けカーナビゲーションシステム「ストラーダ」の新製品を発表した。大画面タイプでは有機ELパネルを採用しており、「国内の市販向けAV一体型カーナビとしては初採用」(パナソニック)だとしている。
パナソニックは2020年9月2日、市販向けカーナビゲーションシステム「ストラーダ」の新製品を発表した。
大画面タイプでは有機ELパネルを採用しており、「国内の市販向けAV一体型カーナビとしては初採用」(パナソニック)だとしている。映り込みや反射を抑制し、カーナビとしての視認性を高めた。ストラーダの大画面タイプは本体を2DINサイズのままでダッシュボードに組み込み、ディスプレイを別体で突き出た状態にする「フローティング構造」となっているが、有機ELパネルの採用に合わせて振動対策も強化した。
ナビゲーション機能では、ゼンリンの住宅地図2163冊分のデータを基にした「全国市街地図」を採用。日本の市区町村1741地域をカバーしており、地方では詳細に表示されなかった細い道や道幅、河川の形状、建物の形などの表示に対応した。
想定販売価格は、有機ELパネル採用モデルが19万円前後から。2020年10月中旬に発売する。市販カーナビの市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で前年を下回る見通しだが、市販向けならではの付加価値を販売につなげる。
パナソニックは、フローティング構造の市販向け大画面カーナビを2016年から展開している。カーナビのディスプレイサイズは大型化が進んでおり、市販向けでは9型や10型のディスプレイも登場した。ただ、ディスプレイサイズが2DINの横幅よりも大きい8型以上になると、ディスプレイをダッシュボードに収めるため車種別に設計したパネルを使う必要があり、搭載できる車種が限られるのが課題となっていた。そのため、パナソニックはフローティング構造によって、新車や既販車を問わず430車種以上に大型ディスプレイを搭載できるようにして競合他社との差別化を図ってきた。
今回、ストラーダの大画面タイプのうちディスプレイサイズが10V型のモデルに有機ELパネルを採用。自発光方式ならではの黒色の表現や色再現性の高さにより、「ストラーダ史上最高画質」(パナソニック)を実現した。ブルーレイディスクやテレビなどの映像に加えて、ドライブレコーダーやリアビューカメラの映像も高画質に表示できる。また、コントラストの高さや、見る角度による輝度変化の少なさにより、さまざまな角度から見やすいという。さらに、ディスプレイ表面の低反射(AGAR)フィルムや、空気層をなくしたエアレス構造により、外光の反射や映り込みを抑えた。
有機ELはバックライトが不要なため、ディスプレイは厚さ4.7mmに薄型化するとともに、従来モデル比で30%の軽量化を図った。外装フレームには高剛性のマグネシウムダイカストを採用。内部にはハニカム構造を設けることで強度を確保し、画面が揺れやすいフローティング構造の課題を解決した。
また、パネルを囲む枠を狭くした狭額縁とすることで、デザイン性も高めた。カーナビセット全体の軽量化とディスプレイ保持部の高剛性化により、画面の揺れを抑えて耐振動性を向上する。
画質の向上に合わせて音響も大幅に改善した。回路設計の見直しと低DCRチョークコイルの新規採用により、ひずみ感のないクリアな音質に向上させた。ハイレゾ音源やブルーレイオーディオの再生に対応し、。最大192kHz/24bitのハイレゾ音源を圧縮せずに再生できる。CDなどの音源を高音質化する機能も備えた。高級オーディオに採用されるBBブランドの32bit D/Aコンバーターをはじめ、多くの高音質パーツも搭載している。
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