市販カーナビの大画面化で新提案、フローティング構造が200車種対応を実現:車載情報機器(1/3 ページ)
パナソニックは、144車種で取り付け可能なディスプレイサイズ9V型のカーナビゲーションシステムの新製品「ストラーダ CN-F1D」を発表した。ディスプレイは2DINサイズの本体から突き出た状態で固定することで、軽自動車を含む幅広い車種で大画面カーナビを装着できるようにした。また、「国内の市販カーナビで初めて」(パナソニック)、「Android Auto」に対応する。
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS社)は2016年3月29日、東京都内で会見を開き、144車種で取り付け可能なディスプレイサイズ9V型のカーナビゲーションシステム(カーナビ)の新製品「ストラーダ CN-F1D」を発表した。ディスプレイはダッシュボードに組み込まず、2DINサイズの本体から突き出た状態で固定することで、軽自動車を含む幅広い車種で大画面カーナビを装着できるようにした。従来のディスプレイサイズでは限界のあった視認性や操作性を改善する。また、「国内の市販カーナビでは初めて」(AIS社)、Android端末と車載情報機器を連携させて利用できる「Android Auto」に対応した。発売は2016年6月上旬。市場想定価格は17万円で月産2000台を計画している。
2DINサイズの限界
AIS社 インフォテインメントシステム事業部 市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部長の高島浩二氏は、カーナビについて「中高年から初心者まで全てのドライバーの必需品となり、本格普及期の段階にある」と説明する。
その中で、同社のアンケート調査では従来のディスプレイサイズ7V型のカーナビに対し「画面が小さく見にくい」「ボタンが小さく操作しづらい」「大画面で映像を楽しみたい」などの要望が寄せられていた。
こうしたニーズに対応して競合他社は2010年に、AIS社は2012年にディスプレイサイズ8型の製品を投入。さらに、競合他社は9型や10型のディスプレイサイズの製品を発売し、カーナビの大画面化が進んできた。
ただ、ディスプレイサイズが2DINの横幅よりも大きい8型以上になると、ディスプレイをダッシュボードに収めるため車種別に設計したパネルを使わなければならない。このパネルの設計は実際の車両のダッシュボードを分解するなどして作り込む必要があり、商品価格も割高となる。ダッシュボードの構造上、8型以上のディスプレイサイズが収まらない車種もある。また、旧型の車種では専用パネルの設計自体が難しいことも多い。
このため、大画面のカーナビを装着できるユーザーは一部の車種に限られていた。
AIS社は、より多くの人に大画面のカーナビを使ってもらうことに主眼を置き、ディスプレイをダッシュボードに収めない構造を採用した。これにより、搭載車種は競合他社の2倍以上となる144モデルに拡大することができた。
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