世界の半導体製造装置販売額、2021年に過去最高額700億ドルと予測:FAニュース
SEMIが、世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。半導体製造装置の世界販売額は、2020年に632億ドルに達し、2021年には過去最高となる700億ドルに達する見込みだ。
SEMI(国際半導体製造装置材料協会)は2020年7月20日、バーチャルでの開催となったSEMICON Westにて、世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。半導体製造装置の世界販売額は、2020年に632億ドル(約6兆7068億円)、2021年は過去最高となる700億ドル(約7兆4284億円)に達する見込みだ。
ウエハープロセス処理装置やファブ設備、マスク、レチクル製造装置などウエハーファブ装置分野は、2020年に5%、2021年は13%成長すると予測。その要因を、メモリ投資の回復と先端プロセスへの投資、中国での投資と分析する。
ウエハーファブ装置販売額のほぼ半分を占めるファウンドリとロジックへの投資は、2020年、2021年ともに1桁台で成長すると見込む。DRAMとNANDについては、2020年の投資額が2019年の水準を上回り、2021年には20%以上成長すると予測する。
組み立て、パッケージング装置分野は、アドバンストパッケージングの生産能力が拡大することで2020年には10%成長し、32億ドル(約3396億円)に。2021年は8%の成長で、34億ドル(約3608億円)になると予測される。半導体テスト装置の市場は、5G需要などによって2020年に13%成長して57億ドル(約6049億円)に達する。同市場は2021年も成長し続けるとみられる。
地域別に見ると、2020年の投資は中国、台湾、韓国がリードすることが予測される。中国は2020年と2021年に、ファウンドリに積極的に投資するとみられることから、世界最大の装置市場に成長しそうだ。
台湾の装置投資額は、2019年に68%成長したが、2020年は減額。しかし、2021年に10%プラス成長し、世界第3位の市場となる見込みだ。
韓国の装置投資額は、メモリ投資が回復することで、2021年には30%の成長が予測されている。その他の多くの地域も、2020年から2021年にかけて成長が見込まれている。
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