小売業の商品陳列業務の遠隔化と自動化を可能にするロボットを開発:ロボット開発ニュース
Telexistenceは、コンビニエンスストアなど小売業での商品陳列業務の遠隔化、自動化を可能にする、半自立型遠隔操作ロボット「Model-T」を開発した。2020年夏より都内コンビニの一部店舗において、Model-Tによる商品陳列作業を実施する。
Telexistenceは2020年7月21日、半自立型遠隔操作ロボット「Model-T」を発表した。コンビニエンスストアなど、小売業での商品陳列業務の遠隔化、自動化を可能にする。
Model-Tは、胴体やアームに22自由度の関節を実装しており、狭い小売店舗内でも商品の陳列作業ができる。
Model-Tの映像伝送時間は、ロボットのカメラが捉えた映像が操縦者側のディスプレイに表示されるまで、ネットワーク遅延を含めて50msとなる。視覚と身体感覚とのずれがほとんど感じられないため、速く動く対象物に適した操作や身体的な感覚を伴った操作が可能だ。
また、さまざまな形状の商品を把持できる、同社開発のロボットハンド「Andrea-Yamaura End Effector」を備える。商品ごとにロボットハンドを交換する手間を省くため、1つのロボットハンドで真空吸引と2指グリッパーの両方が使えるようになっている。
同年夏に都内のファミリーマートで実験的に導入されるほか、ローソンの「Model-T 東京ポートシティ竹芝店」でも日常的に商品陳列業務を実施する。
小売業の商品陳列業務は、作業者の負担が大きく作業工数も多い。Model-Tにより、商品陳列業務を遠隔化、自動化できれば、店舗スタッフがどこからでもロボットを操作して就労する、新しい店舗オペレーションが構築可能になる。
同社は今後、Model-Tをコンビニの他店舗へ展開していくとともに、国内外のスーパーマーケットなどにも導入を進めていく。
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