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コロナ禍で見直される遠隔操作ロボットの価値、普及は進むのか?サービスロボット

WHILLは2020年6月17日、with/afterコロナ時代のロボティクスをテーマとしたセミナーを開催した。東京大学 名誉教授の佐藤知正氏、及びMiraRoboticsのパートナー兼ストラテジストの羽田卓生氏はコロナ禍を契機に遠隔操作ロボットが普及する可能性を指摘する。

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 WHILLは2020年6月17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、「『with/afterコロナ時代』のロボティクスを考える」と題したオンラインセミナーを開催した。その中から本稿では、遠隔操作ロボットの可能性を中心的テーマとして取り上げた東京大学 名誉教授の佐藤知正氏、及びMiraRoboticsのパートナー兼ストラテジストなどを務める羽田卓生氏の講演を、それぞれ抜粋してお届けする。

COVID-19は「ロボットルネサンス」を引き起こす?

東京大学 名誉教授の佐藤知正氏
東京大学 名誉教授の佐藤知正氏

 佐藤氏は、COVID-19が遠隔操作ロボットの活用範囲がこれまで以上に広がる1つのきっかけになり得ると指摘する。「COVID-19は3つの側面を有する病気だといえる。1つは生命にかかわるということ。2つ目は生活空間や仕事場において人々の距離を引き離すこと。3つ目はイベントや旅行など、人の活動を制限することだ。これらの対応策を考える中で遠隔操作ロボットの価値が評価され、現場投入される契機が生まれるのではないか」(佐藤氏)。

 例えば感染リスクを最小化する上では、消毒作業や患者の看護をリモートで実施できる遠隔操作ロボットが役に立つ。この他にも、在宅勤務の支援やサプライチェーンの確保を目的としたで遠隔操作ロボットの使用にも注目が集まるだろう。また佐藤氏は「人間が直接現場に赴かなくても、観光やイベントを楽しめるようにするアバターロボットも求められるようになるかもしれない」とも語った。

COVID-19は遠隔操作ロボットの価値を見直すきっかけになる[クリックして拡大]出典:WHILL
COVID-19は遠隔操作ロボットの価値を見直すきっかけになる[クリックして拡大]出典:WHILL

 佐藤氏は今後のロボット関連市場について、ロボットを通じたサービスの提供(RaaS:Robot as a Service)に注目が集まるだろうと指摘する。「アメリカの医療機器メーカーであるXenex Disinfection Servicesは細菌やウイルスを消毒する紫外線照射ロボット『LightStrike(ライトストライク)』を販売している。同社の興味深いところは、単にハードウェアを売るだけではなく、消毒方法などを教える教育サービスをあわせてパッケージ化して販売していることだ。このようにサービスとしてのロボットを提供するという観点は、今後重要になっていくだろう」(佐藤氏)。

 遠隔操作ロボットの今後の展望について佐藤氏は「これまで遠隔操作ロボットは原子力発電所など、人間が立ち入るには危険な区域などで主に活用されてきた。COVID-19の感染拡大は、そうした状況に変化をもたらす。イタリア、中国、イスラエルでは看護ロボットや物品運搬ロボット、受付ロボットなどが登場し始めている。コロナ禍はロボットとロボットサービスの価値が見直される時代、いわば『ロボットルネサンス』を引き起こすのではないか」と語った。

VRゴーグル低価格化など普及のための条件も整う

 佐藤氏と同じく、羽田氏もCOVID-19によって遠隔操作ロボットが普及する下地が作られつつあると予測する。

MiraRoboticsのパートナー兼ストラテジストなどを務める羽田卓生氏
MiraRoboticsのパートナー兼ストラテジストなどを務める羽田卓生氏

 羽田氏が注目するのは日本で働く外国人労働者の数だ。「日本は全就業者のうち50人に1人が外国人労働者で、特にコンビニエンスストアや外食産業で働くケースが目立っている。だが、ひとたびCOVID-19の感染拡大によって外出自粛や国外からの渡航制限などが生じれば、こうした状況も変化する可能性がある。不足する労働力をどう補うか。ここで注目されるのが遠隔操作ロボットだ」(羽田氏)。

 また羽田氏は遠隔操作ロボットの普及に必要となる技術的条件も整いつつあると語った。「第1にVRグラスなど遠隔操作に必要となる機材が比較的安価に入手可能になりつつある。第2に、ロボットアプリケーション開発用にオープンソースで使えるソフトが増えている。ロボットに搭載したカメラなどで撮影した映像をリアルタイムで配信する『WebRTC』などはその一例だ。そして第3に5Gの商用化が解禁されたことだ。低遅延高速の5Gを使えば、遠隔操作時の遅延が少なくなり操縦が楽になる」(羽田氏)。

 加えて羽田氏は、遠隔操作ロボットを利用するメリットについて「COVID-19を受けてDX化を迅速に進めなければならないこの状況、ロボットの導入を迅速に進めたいというニーズも多いだろう。正直に言えば、現段階でロボット自身もそれに搭載するAIもまだ技術的には成熟しきれていないというのが実情だ。だが、人間がロボットの動作を一部代替する遠隔操作ロボットであれば利用用途によってはすぐに投入できるかもしれない。ロボット技術の完全な成熟を待つより、今すぐやれることをやるというのも大事だ」と指摘した。

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