3種のツーリングパッケージが選べるCNC円筒研削盤、設備状態の可視化も可能:FAニュース
ジェイテクトは、小型シャフト部品の量産加工に適したCNC円筒研削盤「e300Gi」をモデルチェンジした。工作物に合わせて選べるツーリングパッケージや多様な搬送システム、設備状態の可視化など、生産性を向上するさまざまな機能を備える。
ジェイテクトは2020年7月8日、小型シャフト部品の量産加工に適したCNC円筒研削盤「e300Gi」をモデルチェンジし、販売を開始した。センタ間距離320mmまでの小型シャフトに特化した製品で、工作物に合わせて最適なツーリングができるよう、3パターンのツーリングパッケージと自動化システムを用意する。
e300Giのベットは、CAE解析技術の活用により、高剛性で振動が少なく、熱変異を低く抑えている。また、ベットにクーラント熱が伝わらないよう、アイソレーションカバーを採用したことで、寸法変化が30%減少した。
使用するCBN砥石は、普通砥石に比べて砥石廃棄物量が少ない。加えて、砥石の修正待ち時間や交換頻度、砥粒混入によるクーラントタンク保守点検の工数、砥石径を変えた場合の品質確認工数を削減する。
ツーリングパッケージは、センター穴基準で加工する「固定軸主軸台仕様(Aパッケージ)」、工作物の径を基準に加工する「回転軸主軸台チャックワーク仕様(Bパッケージ)」、駆動金具を使用しない「両センター駆動主軸台仕様(Cパッケージ)」の3種類を提供。Cパッケージのオプションは、工作物の長さに合わせて自動で心間調整するため、定寸装置の位置変更が不要となり、段取り替え作業を容易にする。
搬送システムは、標準仕様である片側(左出し)の他、片側(右出し)、両側(パレット1枚)、両側(パレット2枚)を生産形態に合わせて提供する。
搬送システムのオプションとして、面粗度や径、振れ、形状などの測定値を設備へ即時フィードバックし、良品を安定して加工できる「インライン計測システム」、カメラとロボットプログラムで、加工前に誤品を検知する「インライン工作物識別」がある。
据え付け時のローダ芯出しは、マシン一体型ローダにより不要になった。ボタン1つで工作物に合わせた動きを記憶できるため、データを取り込むことで座標入力の手間が省けて、すぐに生産を開始できる。
操作盤には、同社のHMI「TOYOPUC-Touch」を採用。25%拡大したディスプレイで情報を一括表示するため、画面の切り替えが不要だ。設備の診断には、IoE(Internet of Everything)を活用し、異常があった場合は迅速な対応で、復帰までの時間を短縮する。
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