スマート工場の“冠ラボ”をジェイテクトと産総研が開設、CPSを実現しCPPSへ:スマートファクトリー(1/2 ページ)
ジェイテクトと産業技術総合研究所(産総研)は、産総研のつくばセンター東事業所内に「ジェイテクト-産総研 スマートファクトリー連携研究ラボ」を共同で設立する。研究テーマとして「加工機・生産ラインのスマート化(知能化、自律化)およびその要素技術の研究開発」を掲げ、3〜5年での実用化を目指す。
ジェイテクトと産業技術総合研究所(以下、産総研)は2019年4月23日、東京都内で会見を開き、産総研のつくばセンター東事業所(茨城県つくば市)内に「ジェイテクト-産総研 スマートファクトリー連携研究ラボ」を共同で設立すると発表した。研究テーマとして「加工機・生産ラインのスマート化(知能化、自律化)およびその要素技術の研究開発」を掲げ、3〜5年での実用化を目指す。
産総研は2016年4月に、民間企業への技術の橋渡しを推進するため連携研究ラボ制度を制定した。同制度は、パートナーとなる企業名がラボ名称に入ることもあり“冠ラボ”とも呼ばれている。これまで11の冠ラボが発足しており、ジェイテクトが12社目となる。また冠ラボに工作機械メーカーが加わるのは今回が初で、ラボ名に「スマートファクトリー」を銘打つのも初めてだという。
ジェイテクトの冠ラボでは、大まかに分けて2つのテーマで研究開発を進めて行くことになる。1つは「サイバー・フィジカル・システム(CPS)による加工機の自律化技術の研究開発」で、同社が世界トップシェアを有する円筒研削盤を用いて、工作機械単体の加工状態の見える化や、加工条件の自律的最適化を目指す。
もう1つは「生産ラインの自律的最適化を可能とするサイバー・フィジカル・プロダクション・システム(CPPS)の研究開発」だ。円筒研削盤で実現したCPSを備える工作機械を前後工程でつなぎ、問題の可視化、分析、フィードバックを繰り返すことで最適な生産状態を維持するCPPS生産ラインを構築するための技術開発が目的になる。
ジェイテクトの冠ラボは2019年6月に開設する予定で、ラボ長にはジェイテクト 研究開発本部 加工技術研究部の岩井英樹氏が、副ラボ長には産総研 製造技術研究部門の芦田極氏が就任する。人員構成は、ジェイテクトからの出向が10人、産総研の研究員が10人で、総計20数人となる予定だ。
開発目標時期は、円筒研削盤におけるCPSが3年後の2022年度、CPPS生産ラインが5年後の2024年度となっている。
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