ロックウェルが買収生かしIPCを拡充、エッジコンピューティングを強化:FAニュース
Rockwell Automationは、産業用コンピュータ製品「VersaView 6300」ファミリーの販売を開始する。ASEM買収により得られた知見を活用し、IPC、HMIおよびセキュアなIIoTなどの機能の拡張、強化を継続する。
Rockwell Automationは2020年6月29日、産業用コンピュータやシンクライアント、モニターなどを含む「VersaView 6300」ファミリーの「Allen-Bradley」の産業用コンピュータを同年8月から販売開始すると発表した。
同社は同年5月のASEM買収に続き、産業用コンピューティング製品のラインアップのレベルアップを表明した。ASEMの培ってきた技術を取り入れることで、産業用PC、ヒューマンマシンインタフェースおよびセキュアな産業用IoT(IIoT)などの機能の拡張、強化を継続する。
ASEM買収により、Rockwell AutomationはイタリアにおけるR&Dやセンターオブエクセレンス、高度な設定可能性とカスタマイズの提供機能を獲得した。ASEMの製品は、食品加工やライフサイエンスにおける洗浄アプリケーションなど、過酷な環境に耐えられるよう特別に設計されている。
VersaView 6300ファミリーには、産業用モニター、ボックスPC、パネルPC、シンクライアント、リモート接続用製品が含まれる。追加の新製品やカスタマイズオプションは、2021年中に提供する予定だ。
IIoTコンピューティング機能の一部に位置付けられるVersaView 6300は、IIoTデータをスマートデバイス、マシン、プラント全体の意思決定のために活用できる。特に視覚化とデータ集約の点に優れており、コネクテッドエンタープライズの生産性と効率の向上に寄与する。
関連記事
- いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - スマートファクトリーが追い風に、産業用PCは工場内IoTの基盤となるか
工場内でIoTなどを活用し最適な生産を実現する「スマートファクトリー」への関心が高まっている。その基盤としてあらためて導入が広がっているのが産業用PCだ。従来は専用機器を活用することが多かった工場内だが、ネットワークや異システム間連携が必須となる中、産業用PCの「オープン性」があらためて注目を集めている。 - 工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕
産業用コンピュータの歴史の中で、産業用PCにスポットを当てて解説していきます。まず〔前編〕で現在に至る歴史とその背景を、〔後編〕で産業用PCの製品特徴と使われる分野、これからの方向性などについて紹介します。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.