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LPWAを活用して河川水位をリアルタイム監視、地域の防災に貢献:製造ITニュース
NECプラットフォームズは、河川の水位情報をリアルタイムで可視化する「河川水位IoT監視パッケージ」を発売した。河川に設置した水位センサー子局の情報をLPWAで親局に送信し、Web上で公開することで、河川管理や地域の防災に役立てられる。
NECプラットフォームズは2020年6月17日、河川の水位情報をリアルタイムで可視化する「河川水位IoT監視パッケージ」(IoT:モノのインターネット)を発売した。
河川水位IoT監視パッケージは、広域無線通信技術(LPWA)ネットワークを通じて、河川に設置した水位センサー子局の情報を、親局である無線集約局に送信する。LPWAを利用するため、地形や環境に合わせて広範囲を監視可能で、護岸への配線工事なしで設置できる。
水位情報はクラウド上に蓄積され、現在水位や変化、危険水位などをグラフ表示する。河川の近隣住民はWeb画面のマップ情報から観測地点を選択して、それらの情報を確認できる。水位情報は平時には1時間おき、大雨時は10分おきに更新される。
水位センサーは非接触の電波式で、30m先までの水面を測定可能だ。また、河川水位測定向けに最適化されており、低消費電力設計のため電池のみで約5年稼働する。
同社では、静岡県掛川市で同パッケージの動作検証を実施し、その可用性を実証している。2019年10月に発生した台風による豪雨の際にも、河川の水位情報を取得し、リアルタイムで可視化できた。その後、通信の安定性や動作について確認し、掛川市では、2020年5月から、住民に河川水位情報を公開するサービスを開始している。
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