トヨタが新型LSで4つのLiDARを採用、高速道路出口まで運転支援:安全システム
トヨタ自動車は2020年7月7日、レクサスブランドのフラグシップセダン「LS」の新モデルを世界初公開した。日本での発売は2020年初冬を予定している。
トヨタ自動車は2020年7月7日、レクサスブランドのフラグシップセダン「LS」の新モデルを世界初公開した。日本での発売は2020年初冬を予定している。
新型LSには、周辺環境認識用センサーにLiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)を追加した最新のADAS(高度運転支援システム)「Lexus Teammate(レクサスチームメイト)」を搭載する他、新色のボディーカラー「銀影ラスター」や、日本の伝統工芸である西陣織や箔加飾から着想を得たインテリアを用意した。また、無線ネットワークによるソフトウェアのアップデート(OTA:Over-The-Air)に対応し、購入後も機能を増やしていくことができる。
レクサスチームメイトは、高い認識性能、知能化、ドライバーとクルマの対話、信頼性、ソフトウェアアップデートという5つの技術的特徴を備える。発売当初は高速道路など自動車専用道路と駐車場を対象とした運転支援機能を搭載する。高速道路では、ドライバーの監視の下で車載システムが認知、判断、操作を支援し、自動車専用道路の出口まで車線や車間距離の維持、分岐の走行や車線変更、追い越しなどを行う。
レクサスチームメイトでは、ドライバーが安心してクルマに運転操作を任せられるよう、基本性能を向上させたとしている。ディープラーニングなどAI(人工知能)技術も活用し、運転中に遭遇するさまざまな状況の予測と対応を支援する。システムの制御には、トヨタ自動車の凄腕技能養成部に所属する開発ドライバーの運転技術を反映し、自然な運転支援を実現する。
これにより、ドライバーは高速道路において「アクセル、ブレーキそしてステアリング操作からも解放され、長時間の運転における疲労の軽減が可能となり、より周辺に注意を払った安全な運転が可能になる」(トヨタ自動車)としている。
周辺環境の認識は、ステレオカメラやミリ波レーダーといったこれまでにも搭載しているセンサーに加えて、LiDARを使用する。LiDARは車両の前後左右に合計4つ搭載し、汚れを落として検知性能を確保するためのウォッシャーも備える。
駐車する場面では、ドライバーの監視下において、ステアリング操作やアクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全てを車両側で支援することができる。車両の全周囲はカメラと超音波センサーで監視する。
この他、レクサス「RX」で初めて採用した「ブレードスキャン アダプティブハイビームシステム(AHS)」も採用する。高速回転するブレードミラーに照射したLEDの制御によって、対向車や先行車に合わせた細かな遮光を実現する。
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