中古車でもパーソナライズ可能に、BMWが新たなOTA計画を発表:車載情報機器
BMWは2020年7月2日、2020年第3四半期以降の車載ソフトウェアのアップグレードについて発表した。
BMWは2020年7月2日、2020年第3四半期以降の車載ソフトウェアのアップグレードについて発表した。
「5シリーズ」の最新モデルをはじめとする「オペレーティングシステム7」を搭載する全てのBMW車と、互換性のある販売済みの車両が対象となり、無料のソフトウェアアップデートによって新機能を追加できるようになる。クラウドベースのナビゲーションシステム用マップやiPhoneユーザー向けのデジタルキー、インテリジェントパーソナルアシスタントなどが予定されている。中古車でもソフトウェアアップデートを利用可能で、新車購入時には使用されていなかった機能を後から追加することができる。
BMWのオペレーティングシステム7では、ユーザーが30種類以上のサービスやデータを個別に管理できる。どのサービスを使用し、どのデータを送信するか自由に設定可能で、緊急通報システムなど安全に関わるサービス以外は全て無効にすることも可能だ。車両はインターネットに直接接続せず、仮想プライベートネットワークの安全な接続を介してBMWのコネクテッドサービスのバックエンドとのみ通信する。これは、セキュリティバイデザインやプライバシーバイデザインの方針に基づいて開発したことによるものだ。
BMWはすでにデジタルアフターサービスとして車両の追加機能を提供している。ハイビームアシスト、ストップ&ゴー機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、アダプティブサスペンションなどがある。今後、快適さを高める機能や運転支援システム、車両の既存のハードウェアやソフトウェアにアクセスできる機能を追加していく。
ユーザーは機能を1カ月間試した上で1年もしくは3年のサービスを購入することができるようになる。追加機能の実装に必要なハードウェアとソフトウェアは工場出荷時から搭載する。
電動車向けのナビゲーション機能さまざま、デジタルキーも
クラウドベースのナビゲーションシステムは、最新の地図データと、同社のコネクテッドカー1400万台から得たデータを含むリアルタイムの交通情報を活用する。ある車両が危険を検出すると他の道路利用者にも共有される。BMWの車両は1日にドイツの高速道路網の98.5%を走行しており、広い範囲で膨大なデータを活用できるとしている。
電動車向けのナビゲーションシステムには「eDriveゾーン」という機能も含まれる。ジオフェンシングを使用し、都市部の低排出ゾーンに入ると自動的にEV走行モードに切り替える。eDriveゾーンは欧州の80カ所以上で利用可能だという。将来的には、排出ガスの少ない運転に対してポイントを付与するプログラムも予定している。eDriveゾーンを活用するとポイントが2倍になり、ポイントは特典との交換に使用できる。駐車スペースの検索機能では、さまざまな利用可能なデータを基に駐車スペースが空いている確率を計算する他、車両のサイズを考慮して駐車スペースの状況を表示する。
電動車向けの「コネクテッドチャージング」には、ルートや予定に合わせて充電ステーションや急速充電を提案するルートプランナー機能、ドライバーに休憩が必要な時に利用可能な充電ステーションや降車場所を提案する機能などが含まれる。公共の充電サービスを利用する場合には、営業時間やプロバイダー、認証オプションなどそれぞれの充電ステーションに関する情報を表示できるようにした。また、充電ステーションの近くのカフェやレストランなども提案する。
iPhoneをクルマの鍵として使えるのは、2020年7月以降に生産される車両だ。これ以降の車両でデジタルキーに必要なNFCハードウェアが利用できる。BMWのデジタルキーはセキュアエレメントとしてiPhoneのチップに保存されている。デジタルキーは、Car Connectivity Consortium(CCC)の標準に準拠して開発された。デジタルキーは物理的な鍵がなくても車両の解錠と施錠ができるだけでなく、キーを共有することもできる。運転経験の浅いドライバーとキーを共有する場合は、マスターキーの所有者が速度や出力、オーディオの音量などに制限を設けることが可能だ。
インテリジェントパーソナルアシスタントは、音声入力によって窓の開閉や運転モードの切り替えが可能な他、位置情報や車両データを基にドライバーがルーティンで行う動作を先回りして自動で行うことができる。アップデートによって音声コマンドによるアシストを増やすことができ、自然対話も改善されていく。
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