管理職と新入社員の意識比較調査、意識のズレから生じたギャップ:キャリアニュース
ラーニングエージェンシーが「管理職と新入社員の意識比較調査」の結果を発表した。新入社員時代のうちに身につけたいスキルや理想の上司像について尋ねたところ、いずれも管理職と新入社員との回答に大きなギャップがあった。
人材育成サービスを提供するラーニングエージェンシーは2020年6月19日、「管理職と新入社員の意識比較調査(第2回)」の結果を発表した。
同調査は、同社が提供する管理職向け、新入社員向け研修の受講者を対象とするもので、管理職1061人、今年の新入社員3770人から回答が得られた。
初めに、管理職には「部下に新入社員時代のうちに身につけてほしい能力」を、新入社員には「社会人1年目で身につけたいスキル」を尋ねた。その結果、両者の回答で最もギャップが大きかった項目は「パソコンスキル」で、管理職の12.0%が身につけて欲しいと回答したのに対し、身につけたいと考える新入社員は33.6%で、21.6%の差がついた。
管理職が、デジタルネイティブ世代である新入社員はパソコンスキルを既に持っていると考える一方で、新入社員はスマートフォンやタブレットの操作は得意でも、ExcelやWord、PowerPointなどのビジネスで使用するソフトやキーボード操作には慣れていないという実態がある。このような、印象と実態とのズレが調査結果に影響しているようだ。
2番目にギャップが大きかった項目は「時間管理(タイムマネジメント)力」だ。管理職の47.5%が身につけて欲しいと回答し、新入社員は26.2%が身につけたいと回答。21.3%の差がついている。
働き方改革で、残業削減や生産性向上などをより意識する必要があることに加え、テレワークや時差出勤といった変則勤務の影響も重なり、管理職は「時間管理(タイムマネジメント)力」の必要性を強く感じている。新入社員は業務経験が少ないことから、時間管理力の重要性を感じるに至っていないようで、ここでも管理職と新入社員の間に意識のズレが生じている。
「理想の上司像」にも大きなズレ
次に、管理職と新入社員それぞれに「理想の上司像」について尋ねた。管理職の回答で最も多かったのは「リーダーシップのある上司」(51.4%)で、新入社員の1位は「優しく指導する上司」(49.1%)だった。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、この数カ月間で、働き方や仕事の進め方が大きく変化した。部下のマネジメントスタイルについても変換が求められる状況であること、また上司自身の自覚からか、リーダーシップに多くの票が集まった。
今年の新入社員は、入社とほぼ同時期に在宅勤務や自宅待機になった人も多かった。そのため上司に相談したい、コミュニケーションを取りたいという思いがあるのか、上司に「優しさ」を求める傾向が見られた。この質問も、管理職の考えとは大きく異なる回答結果となっている。
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