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QRコードでドローンに飛行指示、「簡単に使える」を重視するSpiralの開発思想モノづくりスタートアップ開発物語(1)(4/4 ページ)

モノづくり施設「DMM.make AKIBA」を活用したモノづくりスタートアップの開発秘話をお送りする本連載。第1回はQRコードによるドローン飛行技術を開発するSpiralを紹介。

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現場から上がる声に耳を傾けて開発を進める

――他に課題はありますか。

石川氏 ビルなど建物内での管理システムに使えないかという相談を受けるのですが、クリアすべき課題が1つあります。ドローンの小型化です。

 一口に「屋内」と言っても、長いトンネルの建設現場から倉庫、商業ビルなど大きさはさまざまですが、ドローンが小型であればあるほど好ましいというのは共通しています。現状では、素材などを変えることは考えず、QRコードを読み取るセンサーの軽量化と制御方法の変更や簡素化でクリアできないかと模索しています。その上で、相手先が必要とする機能を厳選し、ミニマムな機能を搭載したドローンにする。その結果、ドローンの機体を現在の65cm四方から、夏には35cm四方まで小型化できるめどが立ちました。

MarkFlex Airを取り付けたドローン。現在は65cm四方だが、小型化する研究を進めている[クリックして拡大]出典:Spiral
MarkFlex Airを取り付けたドローン。現在は65cm四方だが、小型化する研究を進めている[クリックして拡大]出典:Spiral

――今後、ドローン制御システムを汎用化していくうえで狙っていきたい領域を考えていますか。

石川氏 全く考えていません。というのも、お客さんがいないものを私たちのわがままで作っても仕方ないと思うからです。営業をしていて痛感するのは「ウチの社長がこうしたいと考えているから」ということでお声がけいただいた商談は結局うまく話が進みません。やっぱり、「現場の人がこうしてほしい」という社会課題を出発点にしたビジネスしかうまくいかない。

 今、ゼネコンとはMarkFlex Airをトンネルの建設現場で使うための実証実験を共同で行っており、別の会社からは物流倉庫の中で使うための引き合いもいただいています。変わったところでは、植物工場で、植物の生育状況を管理するシステムの開発も手掛けようとしています。私たちは常に、こうした現場から立ち上ってくる話に耳を傾け、システム開発をしていきたいと思います。

トンネル建設現場でMarkFlex Airを活用したドローンを活用した際のイメージ図。現場監督者はモニタールームで、工事の進捗をチェックできる[クリックして拡大]出典:Spiral
トンネル建設現場でMarkFlex Airを活用したドローンを活用した際のイメージ図。現場監督者はモニタールームで、工事の進捗をチェックできる[クリックして拡大]出典:Spiral

 また、もう1つの信念として、MarkFlex Airを簡単に使えるようにする、ということがあります。現在は共同開発をしているシンガポールの会社のドローンをもとに設計を行っていますが、最終的にはどのドローンにも簡単に後付けできる簡易モジュールに仕上げたいと思っています。

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