ファクトリーコンピュータエントリーモデル、設備監視や医療用途向け:FAニュース
NECは、ファクトリーコンピュータエントリーモデルの新製品3機種を発売した。処理性能の向上に加え、SSD搭載モデルやWindows Server OSプリインストールモデルを用意。24時間連続稼働が求められる設備監視や医療用途に適している。
NECは2020年4月20日、ファクトリーコンピュータのエントリーモデル「FC-PM」シリーズの新製品3機種「FC-P34W」「FC-P36K」「FC-P31X」を発売した。価格は、FC-P34Wが29万3000円から、FC-P36Kが23万1000円から、FC-P31Xが18万8000円からとなっている(いずれも税別)。
3機種は、筐体サイズはそのままで、処理性能が従来品の1.3倍に向上している。プロセッサは、FC-P34Wが「インテル Xeon E-2124G」(3.40GHz)、FC-P36Kは「インテル Core i3-8100」(3.60GHz)、FC-P31Xは「インテル Celeron G4900」(3.10GHz)を搭載する。
ストレージは、これまでのHDDモデルに、振動や衝撃に強いSSD(SATA:240Gバイト、500Gバイト)搭載モデルが追加された。FCシリーズでは初めて、拡張スロット部分へのNVMeSSD(M.2型:100Gバイト)実装に対応した。
なお、FC-P34Wは、クライアントOSのほか、Windows Server IoT プリインストールモデルが選択できるため、IoT(モノのインターネット)システムのオンプレミスサーバとしても利用できる。
5〜40℃の動作温度範囲、耐振動や耐ノイズなどの耐環境性能は前機種から継承している。3年間の長期供給と供給終了から最大10年間の長期保守に対応する点、長期供給可能な部材を使用している点も、従来機種と同様だ。
筐体が空冷効果の高い構造になっており、安定して24時間連続で稼働できることから、連続稼働が求められる設備監視や医療機関用途に適している。
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