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富士通、新型コロナの新薬開発支援などに関わる知財4万件を無償開放:知財ニュース
富士通は新型コロナウイルス感染症の対策として、同社の保有する知的財産権の一部を無償開放すると発表した。同社が保有する新薬開発の支援や患者の見守りに関わる知財約4万件が対象。
富士通は2020年5月12日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大対策を支援する取り組みとして、同社が保有する知的財産権の一部を無償開放すると発表した。著作権を除き、新薬開発の支援や患者の見守りに関わる特許権、実用新案権、意匠権など約4万件が無償開放の対象となる。
現在COVID-19の終息を目指して、知的財産権を無償で提供する権利者を募る宣誓活動「Open COVID Pledge」が米国を中心に世界中で広まりを見せている。知的財産権の無償開放により、企業、研究機関、大学などの垣根を超えて、COVID-19の対策に関する研究活動の活発化を狙っている。
富士通はOpen COVID Pledgeの趣旨に賛意を表明する宣言書を公開した。同社はCOVID-19の診断や予防、封じ込め、治療を目的とした活動に限り、(1)WHOが新型コロナウイルス感染症まん延の終結宣言を行った日から1年が経過する日、もしくは(2)2023年1月1日までの一定期間、約4万件の知的財産権の権利行使を行わず、対価や保証も一切求めない。
また、富士通はOpen COVID Pledgeの日本版ともいえる取り組みの「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」にも賛同している。
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