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人の感性や能力を拡張、パナソニックのAug Labが研究パートナー募集製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

パナソニックは2020年4月23日、2019年に設立した「人間の能力や感覚の拡張」をテーマとした学際的バーチャルラボ「Aug-Lab」の取り組みについて、メディア向けオンラインセミナーで紹介。1年間の活動成果を発表するとともに、さらなるオープンイノベーションを加速させるために、新たな共同研究パートナーの募集を発表した。

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呼吸する壁「TOU」

 「TOU」は、部屋の外を流れる風の動きを室内の壁で再現するものだ。「Aug Lab」とコネルの共同プロジェクトとして開発が進められている。磁力に反応する特殊な表面材と電磁石が等間隔に配置されたバックパネルの組み合わせで動きを作る。外の風の動きを画像や風力計などのセンサーデバイスで計測し、その動きを電気制御により部屋の壁に再現するという仕組みである。

 「人々の生活がますます効率化へ進む中で、脳を弛緩させる“ボーッとできる”時間がますます少なくなっている。TOUは人工的、機械的に意図を持った演出から離れた不規則なゆらぎを再現する。これにより、脳に弛緩をもたらすことができる」と安藤氏は説明する。

パナソニックAug Labの呼吸する壁「TOU」動画(クリックで動画再生)出典:パナソニック

コミュニケーションロボット「babypapa」

 「babypapa」は、3体1セットのコミュニケーションロボットで、連携し合うことでさまざまな反応をする。単純な動きで、歌ったり、笑ったり、泣いたり、子供向けの非言語コミュニケーションを可能としている。

 腹部についたカメラで笑顔の瞬間や何気ない日常を記録する。撮影した写真はスマートフォン端末やタブレット端末で確認可能。GOCCOの開発協力により実現したという。安藤氏は「人と人の関係をより良くするコミュニケーションを実現するという発想で開発した」と述べている。

パナソニックAug Labのコミュニケーションロボット「babypapa」動画(クリックで動画再生)出典:パナソニック

距離を超えた応援を実現する「CHEERPHONE」

 「CHEERPHONE」は、親機と子機の2つのセットで、親機にはマイク、子機にはスピーカーとLEDライトが搭載されている。会場に行けない人がアプリを通じて、子機を託す人を探し、マッチングした相手に子機を預け、託された人が会場に子機を持っていく。自宅などの離れた場所に居る人が親機を持って応援することで、会場の子機に「声」が届くというものだ。

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「CHEERPHONE」の親機と子機(クリックで拡大)出典:パナソニック

2020年度も共同研究を募集

 「Aug Lab」では、2020年度も共同研究パートナーを募集している。「達成感」「没入感」「ポジティブ感情」「意義」「関係性」などをキーワードとして、人の能力や感性を引き出し、拡張することを重点的な取り組み課題とし、感性価値を高めることができるプロダクトやサービスのプロトタイピングを実施する。公募件数は2〜3件程度で、1件当たり300〜500万円の共同研究費用を用意する。応募締め切りは2020年5月29日だとしている。

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