8割超のCFOが世界的な景気後退を懸念、PwCが新型コロナの調査レポート公開:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
PwC Japanグループは新型コロナウイルス感染症による事業へのを日本を含めた世界21カ国のCFOに尋ねたアンケート調査の結果をまとめたレポートを発表した。
世界的な景気後退の可能性を予想する意見が多数
M&A戦略への影響については「現時点では評価が難しい」が回答者全体の43%、「戦略に変更はない」と「M&Aへの意欲が低下した」が27%となった。一方で「M&Aへの意欲が増加した」も全体で13%となったが、日本のCFOでは0%だった。
COVID-19に関する懸念点は「世界的なリセッション(景気後退)の可能性」が回答者全体の71%、「将来の業績など財務上への影響」が70%、「消費マインドの低下」が39%となった。なお日本のCFOでも回答傾向は同じで、世界的なリセッションを懸念する意見が最多だった。
政府が作成したCOVID-19対策の支援プログラムを利用するかの問いに対しては「はい」が回答者全体の45%、「現時点では検討していない」が29%だった。一方で日本のCFOは「はい」が10%、「現時点では検討していない」が39%に上った。この違いについてレポートでは、(調査時点での)経済産業省による複数の企業向け支援プログラムは中小企業や個人事業主を対象としたものが多く、調査対象となったCFOが属する企業が支援の対象になっていない可能性もあると指摘している。
COVID-19の感染拡大が直ちに終息した場合、自社事業が平常化するまでにどのくらいの期間を要するかという質問に対しては、3カ月以内に平常化すると予想する回答が回答者全体の56%と過半数を占めた。一方で日本のCFOで3カ月以内に平常化すると予想したのは33%にとどまるなど相違が見られた。
今回の調査結果を受け、PwC Japan マーケット部 ディレクターの舟引勇氏は「現時点で多くの企業はCOVID-19に対する危機対応の初期段階にある。短期的な危機対応に乗り出す企業は多いが、COVID-19の流行が終息した後の全体像を視野に入れたM&A戦略策定などの意思決定に乗り出す企業はまだ少ない。今後はオペレーションやサプライチェーンの整備、労働力削減を視野に入れた組織再編、資金繰りを含めた財務プランニング、M&Aなど組織の成長戦略の策定も検討していく必要があるだろう」とコメントする。
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