船舶へのリチウムイオン電池モジュールの搭載を承認する鑑定書を取得:組み込み開発ニュース
東芝は、リチウムイオン電池「SCiB」を使用した電池モジュールとその周辺機器からなる「蓄電池システムコンポーネント」が、日本海事協会から船舶適用の承認を受け、鑑定書を取得したと発表した。
東芝は2020年3月31日、リチウムイオン電池「SCiB」を使用した電池モジュールとその周辺機器からなる「蓄電池システムコンポーネント」が、日本海事協会から船舶適用の承認を受け、鑑定書を取得したと発表した。
同社が開発するSCiBは、安全性の高いチタン酸リチウムを使用しており、破裂や発火の可能性が低い。また、長寿命で充放電回数は2万回以上に達し、−30℃の環境下でも充放電できる特性を持つ。従来の鉛電池やリチウムイオン電池に比べて安全性が高く、自動車、産業機器だけでなく、電池推進船や国内の内航船でも採用が拡大している。
蓄電池システムコンポーネントは、SCiB電池モジュールをはじめ、電池モジュールの電圧や電流、温度を監視する電池管理ユニット(BMU)、電流センサーなど12種類の部品からなる。今回、鑑定書を取得したことで、個々の部品検査が免除になり、短期間で船舶用蓄電池システムを構築できる。
鑑定書は日本海事協会の「大容量蓄電池ガイドライン」に基づいている。また、BMUは経済産業省が所管する「製品評価技術基盤機構」の蓄電池評価センターで試験を実施しており、「JIS C8715-2」(産業用リチウム二次電池の単電池および電池システムの安全性規格)にも適合する。
SCiBを用いた蓄電池システムを船舶に搭載すると、航行中に自然エネルギーから得た電力をSCiBに蓄電して、停泊時の船内の電力や入港時などの動力源として利用できる。海運から排出される温室効果ガスを削減し、海洋環境を含む地球環境の保全に貢献する。
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