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平均出力8W、波長266nmの深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器を開発FAニュース

新エネルギー・産業技術総合開発機構は、スペクトロニクスと共同開発した深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器「LDH-X0810」を発表した。近赤外レーザー発生技術と高効率波長変換技術の開発により出力が向上。波長266nmで出力8Wを達成した。

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020年3月19日、スペクトロニクスと共同開発した、深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器「LDH-X0810」を発表した。また、スペクトロニクスは同月23日から研究、開発用途で同製品の販売を開始した。

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深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器の外観 出典:NEDO

 これまでの深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器は、波長変換効率が低く、高出力化が困難だった。LDH-X0810は、近赤外レーザー発生技術と高効率波長変換技術の開発により出力が向上。波長266nmで出力8Wを達成した。

 LDH-X0810は、パルス発生部と光パルス増幅部からなる近赤外レーザー部、深紫外線を発生する波長変換部で構成される。

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深紫外ピコ秒パルスレーザー発振器の概念図 出典:NEDO

 パルス発生部のパルス光源に、堅牢な分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)半導体レーザーを採用し、高速パルス電流の注入によって15ピコ秒以下のパルス光を発生させることができる。

 また、光パルス増幅部には、ファイバーレーザー技術と固体レーザー技術を融合した独自技術を採用。DFB半導体レーザーから得られる光の特性(狭帯スペクトル)を損なわずに80dB以上の増幅が可能だ。

 波長変換結晶の劣化による出力低下は、高効率波長変換によって抑制する。高い効率特性を基に波長変換部の設計を最適化することで、結晶劣化を抑制できる動作条件下において、実用的な変換効率と深紫外光パワーを両立している。

 LDH-X0810は、これまで困難とされていた、深紫外領域である波長266nmの高出力ピコ秒パルスレーザーを容易かつ安定的に出力できる。より簡単に短波長のピコ秒パルスレーザーを取り扱えるため、加工プロセスの検証などの研究、開発用途に利用できる。なお、スペクトロニクスのデモルームには、評価用の実験機が設置されている。

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