超高張力鋼処理専用設備の連続酸洗ラインが稼働を開始:FAニュース
Primetals Technologiesが、中国の鉄鋼メーカーである首鋼京唐鋼鉄聯合に納入した連続酸洗ラインが稼働を開始した。年間約150万tの熱延鋼板を処理できる超高張力鋼処理専用の設備となる。
Primetals Technologies(プライメタルズ テクノロジーズ)は2020年3月24日、中国の鉄鋼メーカーである首鋼京唐鋼鉄聯合(首鋼京唐)に納入した連続酸洗ライン(CPL)が稼働を開始したと発表した。
稼働開始した酸洗ラインは、中国河北省曹妃甸区に建設された新プラントの第2期工事の一環として受注したものだ。同CPLは、年間約150万tの熱延鋼板を処理できる超高張力鋼(UHSS)専用設備で、厚さ0.8〜7.0mm、幅750〜1630mmの熱延鋼板を酸洗できる。
コイルの取り扱い能力は最大33.6t。入側鋼板速度は650m/分、酸洗処理は320m/分、出側セクションでは400m/分の性能を誇る。
酸洗セクション前には、強力なスケールブレーカ―を設置。酸洗セクションには横型乱流酸洗槽5槽と酸循環システム、酸洗後の装置として5区画に分割されたリンス槽と水循環システム、鋼板乾燥装置を設置する。
これらの工程を通過した鋼板は、調質圧延機とテンションレベラーを経てサイドトリミングが施され、その後、検査ステーションにて必要な表面品質を満たしているかを確認する。ラインの出側セクションにはフライングシャーを設置した。
Primetals Technologiesは、同CPLの主要機器全てに関してエンジニアリング、製造、供給だけでなく、電気機器やオートメーション機器の据え付け、試運転の指導も実施した。土木工事やラインの据え付けは、首鋼京唐が担当した。
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