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脳の健康度をセルフチェックするデジタルツールを発売:医療機器ニュース
エーザイは、Cogstateの認知機能テスト「Cogstate Brief Battery」を、認知機能をセルフチェックする非医療機器デジタルツールとして開発し、「のうKNOW」の製品名で発売した。
エーザイは2020年3月23日、Cogstateの認知機能テスト「Cogstate Brief Battery (CBB)」について、ブレインパフォーマンス(脳の健康度)をセルフチェックするデジタルツールとして開発したと発表した。製品名は「のうKNOW(読み:ノウノウ)」で、非医療機器として同月31日より日本国内で販売開始した。
のうKNOWは、パソコンやタブレット端末上で、脳の反応速度、注意力、視覚学習、記憶力の4つについてトランプテストをし、ブレインパフォーマンスを定量的に測定する。所要時間は約15分程度で、利用者が1人でテストできる。
結果画面には、ブレインパフォーマンスを定量化したスコアと、ブレインパフォーマンスを維持するために大切な生活習慣のアドバイスなどが表示される。これにより、脳の健康や疾患を正しく理解し、生活習慣の見直し、予防行動などにつながることが期待される。
まずは法人向けに販売を開始するが、今後、同社が開発中の認知症エコシステムプラットフォームのスマートフォンアプリとも連携させ、個人向けにも拡大していく。また、アメリカやヨーロッパなどでは、CBBは医療機器にも応用されている。エーザイでは、日本でも医療用診断ツールとしての開発を検討している。
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