フィアット500が全面改良でEVに、ADASやAndroidベースの車載情報機器も採用:電気自動車
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は2020年3月4日、全面改良した「フィアット500」の新モデルを世界初公開した。新型500は同社初の電気自動車(EV)となる。ローンチ仕様の「500“La Prima”コンバーチブル」の価格は、家庭用充電システム込みで3万7900ユーロ(約452万円)となる。
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は2020年3月4日、全面改良した「フィアット500」の新モデルを世界初公開した。新型500は同社初の電気自動車(EV)となる。ローンチ仕様の「500“La Prima”コンバーチブル」の価格は、家庭用充電システム込みで3万7900ユーロ(約452万円)となる。
新型500は3つの運転モードを持つ。ノーマルモードはエンジン搭載車に近づけた設定で、レンジモードではアクセルペダルの操作で加減速を調整できるワンペダルドライブが可能だ(完全に停止するにはブレーキペダルの操作が必要となる)。3つ目のシェルパモードは、ナビゲーションシステムで設定した目的地もしくは最も近い充電ステーションに確実に到達できるように電力消費を最適化する。最高速度を時速80kmに抑えてアクセルレスポンスを調整するとともに、空調やヒーターをオフにする。
バッテリー容量は42kWhで、満充電からの走行距離はWLTPモードで最大320kmだ。モーターの最大出力は87kWで、最高速度は時速150kmとなる。出力85kWの急速充電システムを搭載しており、5分間で50km分を充電できる。また、急速充電器を使用すると35分間でバッテリー容量の80%まで充電可能だ。ボディーサイズは、全長と全幅が6cm拡大され、ホイールベースが2cm延長された。荷室は先代モデルと同等を維持している。
カメラとソナーを搭載し、ADAS(先進運転支援システム)も採用した。インテリジェントアダプティブクルーズコントロール、車線中央の走行を維持するレーンセンタリング、速度制限標識の検出による注意喚起、視覚の障害物を検知し警告するアーバンブラインドスポットの他、駐車時には俯瞰映像を表示する。
インフォテインメントシステムは、OSにAndroid Automotiveを採用した。Appleの「CarPlay」はワイヤレスで提供するとしている。乗員のスマートフォンとシームレスに連携させる。
また、テレマティクスモジュールとエマージェンシーコール機能も搭載した。故障の際にアシスタントに連絡して支援を受けられる。スマートフォンからはバッテリーの充電の残量を確認できる他、充電する時間帯の設定やエアコンの操作が可能だ。ナビゲーションシステムの地図データはワイヤレスで常時更新し、現在の充電状況に応じて到達可能な地点を調べられる。
欧州向けには家庭用の充電システム「Easy Wallbox」を用意し、新型500の発売に合わせてFCAのパーツ、アクセサリー部門のMOPARが販売する。Bluetooth経由で充電を管理することができる。Easy Wallboxは3kWと7.4kWから選べる。
時速20km以下で走行する場合は、歩行者保護のためにイタリア映画「フェリーニのアマルコルド」(監督:フェデリコ・フェリーニ氏)の楽曲を鳴らすシステムが作動する。同氏の映画「甘い生活」で500の初代モデルが登場したことにちなんでいる。
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