新型Eクラスが2020年夏に欧州で発売、ADASはきめ細かく進化:安全システム
Daimler(ダイムラー)は2020年3月3日、メルセデスベンツブランド「Eクラス」の新モデルを発表した。2020年夏から欧州でEクラスのSaloonとEstateの販売を開始し、ロングホイールベースのSaloonやCoupe、Cabrioletも続けて発売する。
Daimler(ダイムラー)は2020年3月3日、メルセデスベンツブランド「Eクラス」の新モデルを発表した。2020年夏から欧州でEクラスのSaloon(セダン)とEstate(ステーションワゴン)の販売を開始し、ロングホイールベースのセダンやCoupe(クーペ)、Cabriolet(カブリオレ)も続けて発売する。
新型Eクラスは外観の基本仕様をフロントグリル内にエンブレムが入るAvantgarde(アバンギャルド) Lineにした他、ヘッドランプやリアランプ、ラジエーターグリルのデザインを変更した。また、機能を充実させた運転支援システムを採用するとともに、パワートレインは電動化を進める。
ステアリングシステムは、既存のモデルもハンズオフ検知機能を備えているが、新型Eクラスではハンズオフ検知を静電容量式センサーに変更し、ドライバーの利便性を高めた。これまではわずかなステアリング操作が必要だったが、ドライバーはステアリングを握るだけでよい。ステアリングに備えられたタッチコントロールボタンも、光学式から静電容量式に変更した。
オプション装備で追加できるインテリジェントドライブ機能は、ルートベースの速度調整が可能だ。交通標識や地図データの情報を使用し、高速道路やカーブ、ラウンドアバウト、料金所などで細かく設定されている速度に対応する。車両に搭載した周辺監視センサーが渋滞を検知する前に、速度規制も受信する。
渋滞中は、運転支援システムが時速60kmまでの範囲で高い可用性で安全な車間距離と車線に沿った走行を維持する。車両は停止してから最大1分後まで自動で再始動可能だ。複数車線を走行する場合には、緊急車両通行時に指定された走行路を空けなければならない「emergency corridor rule」に対応する機能により、ステアリングのアシストが介入して車線の中心から外れた状態を維持し緊急車両の通行に必要なスペースを作る。高速道路で時速60km以下で走行している場合、車線を検出するとともに、周辺の車両から自車位置を把握するための群知能を活用する。
ブラインドスポットアシストも強化しており、クルマから降りる際に、車両や自転車などが時速7km以上で車両の横を通り過ぎようとしているとサイドミラーで警告する。この機能は、イグニッションがオフになってから最大3分間作動する。駐車支援システムは、周辺監視にカメラを採用し、サイドビューを強化した。広いエリアで線で区切られただけの駐車スペースでも検知して駐車支援が動作する。
インフォテインメントシステムはオプションで大画面化
インフォテインメントシステムは標準で2枚の10.25型ディスプレイを搭載しているが、オプションではさらに大型の12.3型ディスプレイ2枚に変更できる。
防犯機能も強化する。2020年半ばからURBAN GUARDという名称で2つのパッケージを展開し、一部の機能はオンラインストアからも入手できるようにする。具体的な機能としては、盗難防止アラーム、車両位置の変化が検出された場合の視覚的・聴覚的な警告、スマートフォンアプリによるドライバーへの通知などがある。これらの機能は、車両への衝突やけん引、車両への侵入を検知して作動する。上位パッケージでは盗難後の車両位置の特定にも対応する。
プラグインハイブリッドシステムをSaloonとEstate、ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、後輪駆動モデルと前輪駆動モデルに設定する。第2世代の統合スタータージェネレータ―(ISG)を搭載した48Vマイルドハイブリッドシステムも設定する。また、Eクラスでも選択可能となった6気筒ガソリンエンジンにもISGを組み合わせる。
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