複数の産業用ネットワークで高精度に駆動、TSNへの対応も:日本ものづくりワールド 2020
ハーモニック・ドライブ・システムズは「日本ものづくりワールド 2020」(会期:2020年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第24回機械要素技術展(M-Tech)」に出展し、同社の小型機構とさまざまな産業用ネットワークとを組み合わせ、マイクロファクトリーを実現したデモを紹介した。
ハーモニック・ドライブ・システムズは「日本ものづくりワールド 2020」(会期:2020年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第24回機械要素技術展(M-Tech)」に出展し、同社の小型機構とさまざまな産業用ネットワークとを組み合わせ、マイクロファクトリーを実現したデモを紹介した。
ハーモニック・ドライブ・システムズは、産業用ロボットや産業用機械向けの精密減速機などを展開している。今回のデモでは、精密な動作を可能とする同社の減速機技術に加え、工場や工場内機器で使われる機器や複数の産業用ネットワークとの連携を訴えた。
デモとして用意したマイクロファクトリーのシステムは、同社の小型ACサーボアクチュエーターに、オリエンタルモーターやパナソニック、三菱電機、安川電機などのアクチュエーターや減速機を組み合わせている。加えて、これらを駆動させる産業用ネットワークもEtherCAT、CC-Link、MECHATROLINKなど複数のものを使っており、これらに高精度で同期できる点を訴えている。
「減速機単体ではなく、システムとして性能を見たいといわれるケースが増えている。その場合、全てを自社製品で構成することは考えにくいため、複数の機器やネットワークとの連携を訴えていく。その中でも速度や精度が出せるということを訴求する。主要ネットワークにも新しい技術が出れば積極的に対応していく。次世代産業用ネットワークとして期待されているTSN(Time Sensitive Networking)に準拠する『CC-Link IE TSN』についても対応を準備している」(ブース説明員)としている。
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