特集
機能をとことんそぎ落とした“キヤノンらしくない”デジカメ「iNSPiC REC」:デザインの力(4/4 ページ)
キヤノンから“キヤノンらしくない”デジカメ「iNSPiC REC」が発売された。シンプル過ぎるその見た目はトイカメラのようにも見えるが、このカタチになったのには理由がある。製品企画担当者に「iNSPiC REC」の開発背景と狙いを聞いた。
キヤノンの挑戦に終わりはない
iNSPiC RECの正式販売は、先行していた米国市場での展開から2カ月後、2019年12月20日に国内での販売をスタートさせた。購入者からの反響も良好で、販売の滑り出しとしてはまずまずだという。
もちろん、今回取り上げたiNSPiC RECの製品化の実現がゴールではない。新たなニーズや顧客層の開拓、デジカメ市場の再活性化に向けた、キヤノンの挑戦に終わりはない。
2020年1月に米国ラスベガスで開催した「CES 2020」で、キヤノンは独自AI(人工知能)技術を用いて、“ブレなく”“賢く”良いシーンを撮影・選択できる「Intelligent Compact Camera」と、手軽に100mmと400mmの望遠を見たり、撮影を楽しんだりできる小型望遠デバイス「Multifunctional Telephoto Camera」を発表。これらもまた、従来のキヤノン製品とは大きく異なる新コンセプトで、カメラの魅力や可能性を探求した証しといえる。
チャレンジには必ずリスクが付き物だが、チャレンジなくして成功はない。やらなければ何も始まらないのだ。iNSPiC RECの開発ストーリーから、キヤノンのモノづくりに対する強い姿勢を感じ取ることができた。
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