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耐環境性を高めた新型空気圧縮機、クラウドで監視し工場稼働に合わせ柔軟に稼働:FAニュース
日立産機システムは、吐き出し空気量と耐環境性を向上した新型空気圧縮機「G」シリーズを発表した。空気量を自動で低減し、高温下でも連続運転できるほか、24時間監視サービスの機能が拡張されており、工場の安定稼働に貢献する。
日立産機システムは2019年11月20日、吐き出し空気量と耐環境性を向上した新型空気圧縮機「G」シリーズを発表した。同年12月から発売する。
Gシリーズは、新たに開発したエアエンドと、独自の衝突給油方式によってエアエンド内部の冷却性と圧縮効率を高めている。これにより、吐き出し空気量が従来機比で最大約9%増加。また、専用の永久磁石モーターと一体構造にしたことで、従来機比で最大約6%エネルギー効率を改善した。
夏場など、温度が高い場所で運転する場合は、ヒートセーフティーモード機能で吐き出し空気量を自動的に減らし、周囲温度が50℃になるまで空気圧縮機を停止せずに運転する。加えて、「FitLiveサービス」により、圧縮機を24時間クラウド監視し、設備の安定稼働に貢献する。同サービスは、監視センサーや監視項目の追加など、機能が強化されている。
また、工場のライン増設などで同シリーズを複数台使用する場合、シリアル通信(RS485)でマルチドロップ接続することにより、専用の台数制御盤を使わなくても最大6台まで制御できる。交互並列運転やローテーション運転など工場の設備稼働に合わせた柔軟な運転が可能になる。
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