ジェネレーティブデザインを適用したラジコンパーツを「Form 3」で出力してみた:はじめてのジェネレーティブデザイン(番外編)(5/5 ページ)
連載「はじめてのジェネレーティブデザイン」でついに完成したラジコン用バンパー部品。せっかくなら高精度な3Dプリンタで、ラジコンに適した耐衝撃性や柔軟性を備えた素材で出力してみたい! ということで、日本市場での販売開始が発表されたばかりの「Form 3」(Formlabs製)を試してみた。
仕上がりの美しさと実用性を兼ね備えたジェネレーティブバンパーが完成!
そして、いよいよ組み付けです。前回同様若干ネジ部分がきつかったのでリューターで少しだけ穴を大きくしましたが、精度的には全く問題なくぴったりと組み付けることができました。いかがでしょうか。連載本編で製作したFDM製のバンパーとはまた違った雰囲気で、より洗練されたように感じます。
Tough Resinで造形したジェネレーティブバンパーは透明感のある青色が特長ですが、実は後処理でしっかりとUV硬化させると透明感のある緑色に変化するのだとか。実際の走行テストはまだ行っていませんが、造形物の見た目(表面)は非常にきれいで、手で少し力を入れてみると弾力がしっかりと伝わってきます。これであれば十分実用に耐えられそうです。
今回は、ラジコン部品(バンパー)が対象だったのでForm 3で十分造形できるサイズ感でしたが、もう少し大きなもの(例えばラジコンのボディーなど)を出したいという方には、Form 3の5倍の造形エリアを備える「Form 3L」(販売開始時期未定)の方が適しているといえるでしょう。
一連の体験を通じて、あらためて感じるのはトータルでの使い勝手の良さです。ユーザーフレンドリーなインタフェースと機能を備えたPreFormはもちろんなのですが、Form 3本体のインタフェースも非常に分かりやすく進化しており、箱から出してすぐに使いこなせるよう細かな気配りが随所に見られます。数年前に筆者が個人的に購入したパーソナルユースのFDM方式3Dプリンタはキャリブレーションが大変で、初回から安定した品質を出すことが難しかったのですが、Form 3なら初心者でも安心して高品質の造形が行えそうです。
なお、今回体験取材をさせていただいた検証センターは、本来法人を対象にした協業や導入促進に関する連携および技術検証を行うためのスペースであるため、個人ベースの相談は受けられませんが、法人の方で、自社技術やサービスとFormlabs製品との連携などに興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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