この記事は、2019年11月19日発行の「メカ設計 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
新規開発より、既存機種のカスタマイズやバリエーション展開が中心という設計開発現場も多いと思います。
こうした現場のほとんどは、コストや品質、開発期間といったさまざまな要因から、恐らく過去の設計資産をベースに設計変更を加えて対応されているかと思いますが、もともとの図面に落とし込まれている当時の設計者の“設計意図”まで深く考えて(しっかりと理解して)、流用設計をされているケースは少ないのではないでしょうか。
設計者の皆さんはただでさえ忙しいので、過去の設計資産を有効活用することは決して間違いではないと思います。ただ、中堅・ベテラン設計者であれば図面を一目見ただけで「あーなるほど」と過去の図面に落とし込まれた設計意図をくみ取ることができるのでしょうが、若手設計者や新任の設計者の方だとそうはいきません。
“流用設計を淡々とこなすだけ”であれば、さほど大きな問題にはならないでしょう。しかし、昨今話題となっている「技術伝承」の視点で考えると、若手に対して、チャレンジさせてあげられる機会を作り出せない状況は、中長期的に見てもよい傾向とはいえないでしょう。
もちろん、新規開発案件を多く抱えている現場であれば、自然と若手設計者に新規の仕事を一から任せるという流れが生まれるのでしょうが、流用設計が中心の忙しい現場だと、たまに入ってくる新規開発案件も当然ながら“急ぎ仕事”が要求されるでしょうから、若手設計者に一から任せるという流れは生まれづらいのだと思います。
では、このような現場でどうやって技術伝承を進めていったらよいのでしょうか。
設計現場の「技術伝承問題」の特効薬は若手任せのツール導入にあり!?
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