設計段階から製造品質を作り込める「組立プロセス設計ソリューション」:メカ設計ニュース
ラティス・テクノロジーは、生産準備業務の効率化を支援する「XVL Studio」の最新バージョン「XVL Studio Ver.18.0」を2019年10月28日に提供開始する。
ラティス・テクノロジーは2019年10月8日、生産準備業務の効率化を支援する「XVL Studio」の最新バージョン「XVL Studio Ver.18.0」を同年10月28日に提供開始すると発表した。
製造業では深刻な人材不足が叫ばれる中、ロボットやITを活用したQCDの改善に関心が集まっている。しかし、設計領域に関しては3D CAD導入を中心に“3D化”が進んでいるものの、製造現場では実機を用いた製造性の評価が行われていたり、紙図面による情報伝達が当たり前のように行われていたりするため、デジタル化が思うように進んでいないのが実情だ。そのため、設計変更による手戻り、紙やExcelによる非効率な情報伝達などが常態化し、量産までのリードタイムが長くなるといった課題を抱えている。
その根本的な原因として挙げられるのが、「設計段階で作られた3Dデータと組み立てプロセスが別々に管理されていることだ」(同社)という。
そこで、今回発表のXVL Studio Ver.18.0では、新たに「組立プロセス設計ソリューション」を提供。工程設計のための「工程ブロック図作成機能」によって、3Dモデルと組み立て工程を統合して作成できるようになり、早期に工程設計および製造性検証が行えるという。新バージョンでは、各工程のブロックにQC情報を登録、品質管理情報も併せてXVL上で管理できるようになった。これにより、開発から生技、製造までのプロセス全体をつなげることが可能になったとする。
同社は、この新ソリューションの提供により、設計段階から製造品質を作り込むフロントローディング活動を後押しし、モノづくり現場の労働生産性向上、QCDの改善を支援したい考えを示す。なお、工程ブロック図作成機能を利用するには「XVL Studio Pro」のライセンスが必要で、標準構成の「XVL Studio Standard」は閲覧のみに対応する。
組立プロセス設計ソリューションの特長は、分かりやすいビジュアルで手軽に工程設計が行えること、設計段階で早期に製造品質の作り込みができること、工程とQC情報を一元管理し、XVLからダイレクトにQC工程表を作成できることなどが挙げられる。
工程設計では、従来のようなExcelによる手作業ではなく、工程単位のブロックをドラッグ&ドロップする感覚で直感的に工程設計が行え、3Dデータとひも付けることで、モノづくりの流れをグラフィカルに把握することが可能。工程フローの作り込みの脱属人化、変更に対する即時対応といった効果が図れるとする。また、分かりやすいビジュアルにより、工程単位で組み付けなどを確認できる他、メンバー同士で検証やレビューが行え、早期に製造品質の作り込みが行える。設計変更への対応や整合性の確認に関しては、工程とQCの内容を一元管理することで、ミスや作業工数を大幅に低減。製造品質の向上に貢献するとしている。
製品名 | 1ライセンス定価(税別) | 年間保守定価(税別) |
---|---|---|
XVL Studio Basic | 20万円 | 4万円 |
XVL Studio Standard | 70万円 | 14万円 |
XVL Studio Pro | 150万円 | 30万円 |
XVL Studio Hybrid | 250万円 | 50万円 |
表1 「XVL Studio Ver.18.0」の販売価格と年間保守費 |
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